【短歌&小さな物語】「風、止まる」
忙しい時というのは、いろいろなことが重なる。
電話がかかってきたり、返信しなきゃいけないメールがあったり、LINEが次々に飛んできたり……。
ところが、急にぱたっと静かになることがある。
こういう時なら、ちゃんと丁寧に返信したり、お返事したりできると思うのだが、こんな時に限ってどこからも通知がこない。着信音も鳴らない。
誰もわたしに用なんかないみたいだ。
ま、いいか。
午前中にぽっかり空いた無風の時間。
こんな時、わたしはきっと眠そうな猫みたいな顔をしているのだろう……。