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自由に生きると決めました


たまたま普段はめったに現れない人事の人が職場にやってきた。
ミーティングしようということで、静かな喫茶店に入った。

なかなか人が続かない職場で、今辞めると言えるタイミングではないことは承知していたが、こんなチャンスはないと心臓バクバクしながら、しゃべりが得意でない私はしどろもどろになりながら辞めたい旨を伝えた。

「では3月末で契約終了ということでいいですか?」と拍子抜けする答えが返ってきた。
現場の大変さを必死に伝えてはいたものの、ここまで何も考えてくれていなかったのかと呆れると同時に、いくらでも替えが利く存在なのだなと自分の無能さに途方に暮れた。

その後数時間は心ここにあらず状態で働いた。

帰り道、電車の中で手帳を開いた。
2/12 「何かを決めて動き出す時」
「退職届を書く」

退職届を書かずとも仕事を辞めると伝えられた。
自分を抱きしめたくなった。
そんな新月の夜だった。



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