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【ゲーム日記】ステルスと死にゲーで疲れた体に、シンプルな斧投げアクションは味噌汁のようにしみわたる「god of war」

「表現のアップデート」とはよく聞くけど、このゲームに教えられるとは思わんかった。いやー、話題の物には触れてみるもんですね!

プレステ3のころから「ゴッドオブウォー」なるシリーズの名前は聞こえてきたのだけど、これがかなり日本と欧米のセンスの違いを思い知らされる作風で、主人公がマッチョなハゲの神。
北欧神話の神々が骨を砕き、眼球をぶち割り、壮絶に殺しあうアクションゲームで、映像はダイナミックだし凄いし気持ちいい、ことは気持ちいいけど、

「なんか・・スゴイっすね・・・。」
と苦笑いするシリーズだった。日本の細マッチョを美徳として、筋肉がなくても素早ければスタイリッシュに大男を倒せるアクションとは違う、主人公はハゲだわ体中に模様があるわ、叫んでるわ、血がブシャブシャ出るけど誰も痛がらねえわで、感想を一言でいうと

「なんか・・スゴイっすね・・・。」

それが、数年前に発売されたリブート的な新作では、タイトルからナンバリングが消えた。息子ができた。なんか変わったらしい。と噂だけ聞こえていたんだけど、なんとなく「あのシリーズでしょ?」と舐めていた。面白いけど想像がつく感じ。

それが今月、XBOXのゲームパスに対抗して配信されたソフトの中にあったので遅ればせながらやってみたら、全然違う!

なんかいい!手触りがいい!

ステルスと死にゲーで疲労した体に、シンプルな斧投げアクションが味噌汁のようにじわ~っとしみわたる。
主人公は前作までのハゲのマッチョな神から、ハゲのマッチョな神の老人へと代わり、感情移入しやすそうな息子が旅をともにする。

最初は息子に狩りを覚えさせるところから始まるんだけど、前までは扉や宝箱を開けるたびにいちいち「うおおおおー-!!」と叫んでこっちもボタンを連打しないといけなかったのが、単純にバコンと開くし、慎重さが試される「狩り」を通じて親が息子に怒りを抑えるように繰り返し説いて、前作までと全く違う思想なのがわかる。

そして狩りが終わるところで、息子に「生きていくため」ナイフを手渡し、鹿にトドメをさすように命じるんだけど、子供は怖くてできないの。
そこで思い切って鹿にナイフを突き立ててちょっと血の出る場面になるんだけど、同じ残酷描写でも、そこにいたるまでの躊躇がある!ちゅうちょ!過去作になかったやつ!
表現のアップデートとはよく聞くけど、それをゴッドオブウォーで思い知らされるとは思わなかった。それも、苦笑いしていた壮絶バイオレンスな過去作より、ずっと身近に感じられつつ、爽快さもある。初めて、素直に好きと思えるゲームになってくれた。

読んでくれてありがとうございます。 これを書いている2020年6月13日の南光裕からお礼を言います。