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NETFLIX「ネバーランドにさよならを」と西寺郷太さんの生配信を観る

「ネバーランド~」は、マイケル・ジャクソンに性暴力を受けたと告発した男性と家族らの番組。
かつてはマイケルをかばう側だった男性が、
「当時は、されたことが愛だと感じたので嘘をついた」
本当は性暴力を受けていた、とするもの。
ドキュメンタリーというにはマイケル側の言い分は出さないので、
映画というよりは「告発」。スターは死してなお各国で議論になっている。

マイケル知識がない僕からすると、正直「なんかやってるのかな」とは思ってた。
根拠はと言われると、顔とか、立場が、なんか隠してそうな・・・。
事実と食い違う点があるといわれても、たとえば子供のころのいじめっ子に具体的に何されたかを語ろうとすると、ああなるよ。むしろ記憶を振り絞る勇気を褒めてほしい。


そんな作品の公開を受けての、ノーナリーヴス西寺さんがニコ生で放送してるのを観ました。マイケルをはじめ海外のポップスを研究しまくった大ファンが、どう発言するのか。

「ネバーランド~」が一方的な作りだったので、詳しい人なら反論はできるんだろうなと思っていたけど、それ以上に、
うっかりあの映画を見て暗い気持ちになった人に
「その気持ち、背負う必要なかったのかもよ?」
と言いたくなるものだった。


放送でざっとマイケルの人生を振り返るんだけど、うさんくさい人に声をかけられては、たかられ、お金とられての連続で、かわいそうな人だ!
大人にむしられ、子供たちと「高度なうたのお兄さん」みたいになったら、今度は「うちの子供が性的なことをされた」という人が現れ、無罪だったが悪いイメージだけ残ってしまう。

権力で逃げ切ったような無罪じゃなくて、FBIに盗聴されてメディアに監視されて、つねに人目にさらされて、出せる情報は出尽くしてもなお「やってない証拠」はないだろうと訴えが出てくる。
内面になにを抱えてか知らないが、どんどん顔が人工的になっていく。

西寺さんがうんざりしていたけど、無罪が決まったときの証拠音声とかは、マイケル側じゃない人が勝手にYouTubeにあげている。
「マイケルってあやしいよねー」って人に限って、かんたんに出てくる証拠も見てくれない。俺のことか。


少年がどこまで触られたか。たぶん永遠にわからない。性欲と愛情どっちもあったのかもしれないし、嫌だけど有名になりたかったかもしれない。

一夜明けた。
冷静になった。

そもそも何を議論していたんだっけ。
これはマイケルが「無罪or有罪」で終わりの話なのか?

番組で語られる行為は、たしかに「うわあ」とブルーになる話だった。
なぜブルーになったのかを解体してみると、マイケル個人のことじゃなくて、世界中で暴力があることを想像して「うわあ」なわけで、
マイケル・ジャクソン個人が子供と一緒に寝たかどうかは、気になるけどその話もういい。

中には「スリラーよく聴いてたのに!裏切ったな!」って人もいるだろうけど、
番組を観て「マイケルは犯罪者だ!」と怒ってる人は、個人ではなく
力のあるものが弱者に口封じできる世界に対して怒っているのではないか。

暴力夫がたまに愛してると言うと妻も訴えづらくなるような、見えにくい暴力がある。見てはないけど、あるだろう。
そのやるせなさに番組が点火した。

マイケル側のファンも、100%彼を善良と信じてる人ばかりじゃない。
だけど、証拠もない、事実はわからないのに、愛する人を名指しで性犯罪者扱いされたら反発もする。

どっちがわも、じつは結論が出ないのはわかっている。
なら、せめて罵りあうんじゃなくて相手の考えを想像するほうが、映画の役割だと思うし、マイケルの歌詞の内容にもあっている。

読んでくれてありがとうございます。 これを書いている2020年6月13日の南光裕からお礼を言います。