見出し画像

【ゲーム日記】STARFIELDのジャガイモ50個

技術革新前の宇宙船に乗って、外の進化を知らないまま200年放浪した一族がいる。生活は宇宙船内だけで成り立つようになっていて、乗組員の誰も外の世界をしらない。
そんな船が漂っていた。
ゲーム「スターフィールド」の話だ。

スターフィールドを丸三日間ぐらいやっている。広大な宇宙で戦闘も探索も建設もなんでも好きにできるゲームで、制作費何百億円かかってるかしらんが、マイクロソフトパワーによりXBOX買えば月1000円で遊べる。

あとバグだらけ。
10回ぐらいフリーズした。それでも開発者は自信たっぷりだし、プレイヤーも「このメーカーは狭い世界を緻密に作り上げるよりは、広げていく方針だから」と受け入れている。
終わるタイミングを失った海外ドラマやハリウッド映画のシリーズみたいに、きっちり作り上げることを放棄したような印象すらある。びっくりだ。

星の数が星の数ほどある

そんな中で、代々宇宙船の中で住む集団がいて、新たな居住地を見つける旅をずっとしている一族がいた。

一族が定住できそうな星を見つけて、責任者と交渉を手伝い、船員たちは移民扱いの厳しい条件で生きることを押し付けられそうになるが、それを拒否させて、自腹で新型の移動システムを買ってあげた。
今まで長い旅をしてきたんだから、他の居住地を探すように提案すると、船員たちも納得してくれた。

ひとつのサブクエストにここまでやるか!ってほど凝ってて、そこに関連した人物にみんな設定と膨大な会話があって(全部音声吹き替えあり)一人のプレイではとうてい全パターンの会話は見られない。それがスターフィールド。世界最大規模のゲーム。

部分的にはこんなに凝ってるのに、何光年も離れた場所に全く同じ建物が建って、一人の一般人を攻撃したら仲間と延々討論するのに、「倒してもいい」役割の盗賊みたいなやつは全員虫を殺すように退治していく。
このデコボコなつくり! プレイステーション陣営のファイナルファンタジーは、新作ごとに方向性を変えて尖ったシリーズと言われてるけど、スターフィールドも違う形に尖っている。

200年宇宙を漂った一族には新型のエンジンをプレゼントして、また他に住める惑星を探してくれ、ということで一件落着。

かと思ったら、船で一生旅を続けるのはいやだ、どうしても外の世界で暮らしたいと主張する女性乗組員がいた。彼女だけは船外で生活できないかと船長に交渉するも、説得スキルを上げてないので失敗。
「乗組員にはみんな役割があるから、彼女のかわりに食料を用意したら考えてやる」とのこと。
なんの縁もない人員をひとり船から降ろすのに、提示されたアイテムは「じゃがいも50個」。
宇宙では銃と薬は死ぬほど余ってるのに、自然物のじゃがいもは貴重で、3日間プレイして5個ぐらいしか見たことがない。

何日も自然の豊かな惑星を探すか、拠点となる土地を定めていずれ菜園を作ってじゃがいもを収穫できるようにもなるのだろう。

気づかずに素通りする人もいるであろう、小説一冊分の密度があるサブクエストの中のサブクエスト。
ここまで力が入ってるのに何百光年も先に同じ建物と同じ本と食事が置いてあったりする。
「ゲームだから」と割り切るか、建て売り住宅みたいに何かしらの理由をつけるか。その解釈もプレイヤーにまかされている。


この記事が参加している募集

連休にやりたいゲーム

読んでくれてありがとうございます。 これを書いている2020年6月13日の南光裕からお礼を言います。