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芸人が絶対に避けるべきことは「横柄」。

SMA芸人本「弱者の戦略」を読みました。

カバーの文句。
なぜSMAは後発でありながらM1、KOC、R1グランプリで優勝できたのか?

答えは、ネタを作り、みんなでダメ出しをし合い、大事な場面でいつも通り披露したから。

自分で作って、人にみせる。
それだけ。
それを繰り返すしかない。
ソニーのお笑い部門に勢いがあるといっても成功するのは1%以下。大多数がバイト生活。
疲れた状態で、寝るか、新ネタ作りを続けるかの分かれ道が毎晩ある。そこで「作り続ける」を選ぶしかない。やめたらその先でいい人生が待っているかもしれない。ソニーの芸人部門は「来るもの拒まず、去る者追わず」

ソニーの平井さんは、木村カエラ、ホンジャマカ、ハリウッドザコシショウ、錦鯉らのブレイクに関わった業界のえらい人。
木村カエラはモデル時代から音楽をやりたがっていたし、恵さんは髪を染めて昼のワイドショーの司会をする姿を「芸人じゃない、面白くない」とよくつっこまれているけど、どれも本人が最初からやりたいと言っていたところに着地している。バイきんぐの二人も、途中でボケツッコミを変えて今の位置にいるけど、迷走した印象がない。

今、ソニーが作り出したものでよく見かけるのは、プレイステーション5とコウメ太夫のツイートだ。どちらもしつこく、壊れそうで壊れないところがよく似ている。
考えてみれば、ウォークマンを作ったソニーがゲーム業界に参入するときも、任天堂にさくっとやられて撤退するんだろうなー、ぐらいの印象だった。成功するはず、と信念があれば投資を惜しまない社風なのかもしれない。

平井さんは芸人の飲み会によく来るし、直接行かなくてもいい現場にも顔を出す。
泥臭いやり方だけど、現場では年下のADさんにあいさつをする。「あの破天荒な芸人は、裏ではいい人」と思われる。若いADはやがて番組を構成したり出演者を選ぶ立場に出世する。人脈ができる。

「ADに横柄な態度ではいけない」
本に書かれていたことだが、ハリウッドザコシショウがだーりんず松本りんすにしていた説教と同じだ。

ザコシは芸人でYOUTUBEを始めた最古参の部類だけど、その中で松本りんす(新婚)によく説教する。
りんすに使うワードが「横柄」
嫁に横柄、飲み会の先輩に横柄、ラジオのリスナーに横柄。ほかに松本りんすを意味するワードは、ドカハゲ、体たらく、いろいろあるけどやっぱり「横柄」が似合う。平井さんとシショウ、二人がもともと近い思想なのか、いっしょに戦っているうちに使うことばまで似てきたのか。

ほかには、ラジオで「小峠さんがにゃんこスターのスーパー三助に飲み会の誘いを断られ続けて激怒」というものがあるんだけど、本を読むと小峠さんが飲み会を大事なものとして考えていることがわかる。
ザコシの説教やチョゲパで話していたことの裏側が見えておもしろい。

正直に一冊の本としていえば、値段の割に内容少なめだし、関わった芸人との対談とか、ここでしか見れないものがもっと欲しかった。
だけどアメトーーク!のSMA芸人回で撮っていたとみられる写真があったり(みんないい笑顔)テレビやラジオで毎週ただで楽しませてくれた分をどこかで返したい気持ちがあったので満足!


読んでくれてありがとうございます。 これを書いている2020年6月13日の南光裕からお礼を言います。