【読書記録】ルパン傑作集Ⅲ 奇岩城

シャーロックホームズ、怪人二十面相、名探偵ポワロ。名前は聞いたことあるけど読んだことない作品を制覇してます。

なんとなく抱いていたイメージとの違いも面白いし、今の緻密なミステリーとは違う、ちょっと昔の娯楽小説の、大胆なウソ、豪快なサービス精神が好き。

じゃあ次はルパン。三世じゃないほう。すでに三世でもアニメのイメージと原作が異なっていて、原作では実はこうだった、なんてトリビアが語られたりするけど。
ルパンの作者は?と聞かれたら、今まさに読んでる自分でもモンキー・パンチと答えそうになる。

作者はフランスのモーリス・ルブラン。

ある屋敷に泥棒たちが押し入り、格闘のすえに何かを運んでいたようだが何もなくなった形跡のない怪事件が発生する。犯人は何を奪い、どのルートで運び、途中でケガをしたはずだがどこに隠れたのか。

天才高校生「イジドール・ボートルレ」が事件をあざやかに推理するが、足取りを追ううちに、紳士怪盗ルパンからこの事件からは手を引けと脅迫状が届く。

まずイジドール君の名前の馴染めなさに「ど・・・どなた?」と困惑する。ルパンが、世界のお宝物を手中にしながら、そのへんのお嬢さんに恋をしたり、高校生相手にも暴力は使わず取引を申し出たりする高潔な人物。

途中でシャーロックホームズっぽい人を勝手に出してるのには笑った。

「ルパンVSホームズ」という作品もあるのは知ってたけど、スーパーマンVSバットマン的に、それぞれのキャリアを重ねたあとに対決するものだと思ってた。
そしたらルパンの作中に、本家とはイニシャルを入れ替えた「ホーロック・ショームズ」なる名探偵が出てくるの。それを日本語版では分かりにくいからと、シャーロックホームズって表記してしまっている。

本家ホームズを連想させる人物と、本人そのものでは違う気がするけど、いいんか。
ついでにシャーロックホームズ?は、天才高校生イジドール君の足元にもおよばず、遥か英国から要請されるもルパンの妨害にあい、出る幕もなく、すごすご退場してしまった。いいんか。

読んでくれてありがとうございます。 これを書いている2020年6月13日の南光裕からお礼を言います。