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〇月〇日 区長になる女 - ポレポレ東中野

ポレポレ東中野は意外と初体験の映画館だった。ドキュメンタリーの聖地と呼ばれるこの映画館は、わたしが町田にミニシアターをつくりたいと思ったキッカケとなる映画館の1つだ。

2003年に、閉館したBOX東中野を引き継いでオープンした映画館。席数は96席 ミニシアターしては大きめかもしれない。もとが映画館だったこともあり、しっかり映画館としてつくられてる印象があった。ただしシートはちょっと狭い。

ミニ・シアターにはよく行っていた。何も特別な体験であるはずはなかった。でもよく考えたらドキュメンタリーをわざわざ映画館でみる体験はすくなかった。

しかし、「〇月〇日 区長になる女」を見にいったとき、平日なのに満席で、その会場を覆う熱気にやられた。映画に杉並の未来を見に来た人で埋め尽くされていたのだった。

そして見た後、衝撃が走った。映画は政治を超えるんだ。いや映画が政治をつくるかもしれないんだ。そう思った瞬間だった。

「〇月〇日 区長になる女」は、杉並の岸本区長が生まれるまでのドキュメンタリーだった。女性を中心とした、各地域の活動家(杉並には道路問題がありその反対派のひと達)が連帯し、187票差で現職区長を破ったその姿を記録した、監督のペヤンヌマキ監督のすごさを感じる。

「政治なんて何をやっても無駄」という空気を変え、パリテ(議会の半分が女性となること)を実現した杉並区にあこがれる。実はわたしも7年ほど西荻窪に住んでいたので、余計その想いにがある。

しかし、いまは町田に住んでる。町田を自分の街にするには、町田に岸本区長のような人をつくればいいじゃないか、でもそのために市民活動をするのは自分の役割じゃないとおもった。ペヤンヌマキ監督のようにドキュメンタリー映画を作るのも違う、思いついたのが、「政治なんて何をやっても無駄」という空気を変える映画を町田で掛けるということだった。

それがわたしが町田に市民映画館を作りたいとおもった、最初の理由だった。政治だけじゃない、恋愛の仕方だって、好きな人の口説き方だって、夢を諦めたり、夢を持ったりだってすべて映画から学んだじゃない。スキだった子からおしえてもらったタルコフスキー、同棲してた子と一緒にみたゴダール。全部教科書だった。

シュプレヒコールをあげて活動することだけが、市民活動じゃない。ただたんたんと、いろんな人の想いに刺さる映画を町田で掛けること、それが最初の想いだったとおもう。

町田で映画館をつくれたら、「〇月〇日 区長になる女」は必ずかける。実はすでに自主上映の交渉をはじめてる。5月15日に発表、秋に実現できるかもしれない。待たれよ


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