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NISA枠拡大で何が変わるのか

政府・与党はつみたて型の年間枠を2024年より、現行の3倍の120万円、一般型は2倍の240万円に拡大することを発表しました。しかも制度の恒久化と非課税期間の無期限化という大盤振る舞いで、非課税投資枠は年間360万円に大幅アップします。

日本経済新聞 12/3 記事より

金額はもとより、NISAにおいて最も使い勝手の悪かった「途中でリスク資産を売却し換金すると、空いた枠が使えない」というデメリットが改善され、「枠の再利用」が可能になるとのこと。
これなら「枠の減少」を気にすることなく、気軽に資産を売却でき、余裕資金が貯まれば再投資も容易にできるようになります。

これでいままで、わずか5年の非課税枠しかなく期間的にリスクが大きいため必要ないと考えられていた「一般NISA」も無期限なら利用価値が出てくることになり、「つみたてNISA」と共に非課税枠を大いに活用できます。

このnoteでは、「まずはつみたてNISAから始めよう」と第して、年間40万円の「つみたてNISA」枠のフル活用をおすすめし、それでも余裕のある方には総合口座でスポットで「時価総額加重平均を採用したインデックスファンド」を追加購入し、「アセット・アロケーションで安心して長期投資を続けよう」と第して運用方法をお伝えしてきました。

今回のNISA枠拡充においても基本方針は変わりませんが、まずは

年間40万円までだった「つみたてNISA」を、120万円(月10万円)まで増額できないか

検討することを優先してもらい、次に

総合口座でスポット購入していたインデックスファンドを、一般NISA枠に振り替え、追加購入

で対応するのが良いと考えます。
一般NISA枠で売却しても枠の再利用が可能なので、「アセット・アロケーション」手法が使えるためです。それなら非課税枠の方がお得です。

ただ、年間40万円のつみたてNISA枠を3倍に上げるだけでも、かなりの投資資金となるので、ほとんどの方は

「つみたてNISA」だけでお腹いっぱい

と言われそうな気がしますが、非課税枠を最も効率良く利用しようとするなら

現金が必要な場合には気軽にリスク資産を売却することを前提に、できるだけ多くの資金をNISA口座に預ける

のが理論上の正解になります。
売却し空いた枠は再投資枠として利用できるので、このような「おさいふ口座」代わりのような利用法も可能になったと考えるのが良いでしょう。

新制度スタートまで、まだ1年余りあります。
今後、さらに面白い利用方法も出てくると思いますので、また紹介したいと思います。
いずれにしても、資産形成を考える「普通の人」さんたちにとって、2024年からは楽しみが増えることになるのは間違いなさそうです。


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