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[解体画像注意]鶏の腹水症・脱腸について

自然養鶏をやって十年位経つ。
鶏・カモ・ガチョウ・バリケン・エミューの体については、町の獣医より詳しいと思っている。
目の色・目力の入り方・歩き方・態度などから、大体その個体の状態が分かるし気持ちもわかる。
養鶏やってる人の参考になれば光栄。

鳥にありがちな病気は脱腸および卵詰まりと腹水症。
脱腸は雌鶏が殆どで、これは速攻で治す事が出来る。
蜜蝋とオリーブオイルでクリームを作り、それを出ている腸や肛門周辺に塗り充分潤っている状態で、ゆっくり腸を肛門内に押し込む。

脱腸鶏が群れで暮らしている場合は完治するまでは小箱に隔離し、体の動きを抑え、餌は少なめで水分は与える。脱腸で弱っているから鶏自身も自己調整で餌はそれほど食べない場合があるけど、それは気にしないで大丈夫。
人も体調が悪い時は断食したほうが治りが早い。鶏は本能でそれを理解してる。

一回腸が入っても、体の動きを制御しないとまた簡単に出てきてしまうから落ち着くまでは様子見。
一日に三度くらいは肛門の観察を行い「腸が出ぎみ」なら、繰り返しクリームを塗り押し込む。
市販のクリームでも良いんだろうけど添加物が入っているものは避けたほうが賢明。

今朝、烏骨鶏の”アタマ”という名の鶏が死んだ。
間違いなく腹水だろうと思った。
二週間くらい前からその兆候があり、近いうちに勇退(さばいて食べる)させようと思っていた矢先だった。
腹水の原因は世間的には”近親交配によるもの”とか言われていたり、比較的若い鳥が掛かりやすいとも言われている。

わたしの経験上、腹水は「年寄りの鳥」が最もなりやすい。
鶏は生後五年を経過するとみるみる体力が落ちてきて色々な問題が発生する。
目が悪くなる・骨が弱くなる・放鳥時間になっても積極的に歩こうとしなくなる(疲れやすくなる)等。
人間のジジイ・ババアと同じ。

”アタマ”は、ある農業高校から貰った鶏で六年生きた。
農業高校で実験だか研究だかで生徒が育てた鶏で、それが終わって「用無し」となりうちに来た。
その時に譲られた烏骨鶏は合計六羽で、アタマ以外は全部雄鶏で早々にさばいて食べた。

死んだアタマを抱きかかえるとやっぱり腹がぶにょぶにょで腹水の存在を感じた。
腹水は残念ながら治してやるのが難しい。
手作り梅エキス・はちみつ・胡椒やクローブや山椒などのスパイスなどを与えて改善する事もあるけど、殆どの場合は駄目。

腹水で死んだ鶏は臓器が水浸しになっているからレバーや心臓は食べられないけど肉は食べることが出来る。
・・・んだけど、アタマはおそらく昨夜のうちに死んでいたようで、血抜きが出来ず肉に血が回り、食べても美味しくない(ササミ胸肉モモ肉がレバー風味)から肉と内臓は刻んで生きている鶏たちに振舞い、手羽や骨は犬にやった。

ここからグロ”かもしれない”画像(解体後の鶏)が出るから苦手な人はここまでで。





胴体から切り離した各種部位


烏骨鶏の肉は市販品が少ないらしく、見た事が無いという人も居るみたいだ。
烏骨鶏肉は黒みがかっていて骨も黒い。
以前、烏骨鶏を食べた事が無いという人に振舞った事があるけど「肉の色が違和感で食べれない」と言われた。

モモ肉

市販のモモ肉と比べるとかなり小さいのが分かると思う。
アタマ自体が烏骨鶏の中でも小さいほうだったし雌鶏だから肉のボリュームは雄鶏に劣る。

同じくモモ肉


ササミ

市販ササミ肉の二分の一くらい?の大きさ。


胸肉

鶏は年を取ればとるほどに肉が固くなり厚みも減る。

手羽

手羽はまあ平均的な雌鶏レベル。


腹水がどんなもんかの画像がこの後に出る。「それはチョット・・・」という人は注意!





腹にナイフを差し込んだ後

胴体の下に流れてる水が腹水。
相当溜まっていた。


流石に水浸しの内臓画像はキツイ(かもしれない?)からやめておいた。
日常的に鳥さばいてて見慣れてるから、どこからがグロでどこ迄がセーフか自分ではわからない。
さばく時に斧で飛ばした頭や足は畑に埋めていて、ふと骨が出てくることや腐りかけの頭がタヌキかなんかに掘り起こされて出ている事があるけど、そういうのも、わたしは全然平気。
よくニュースで「白骨化した遺体を山中で発見。」とかあるけど、もし、わたしがそういう事に遭遇しても全然気にしないと思う。むしろ厄介事には関わりたくないから、きっと通報もしないだろう。

じゃあ、わたしは「怖いモノ無しか?」と問われれば、何よりもムカデ・ヤスデ・ゲジゲジ・蛇が怖い。
ムカデに二度刺されたことあるけど、十日間は体が使い物にならなかった。

烏骨鶏の骨

これは撮影し忘れてて、犬に食わせるために軽く茹でた後に撮影したもの。
うちの犬は何故か生肉を食べない。
だから軽く焼いたり茹でたりする。


鳥類の脱腸に関してはインコもなったりする。そういう場合は今回書いた方法で治す事が出来る。実際、わたしは過去に飼っていたインコの脱腸も治した。
動物病院に連れて行くなら、それまでの間「出ている腸」が乾燥しないように保湿をしておけばいい。まあ、脱腸は直ぐに死ぬような症状じゃないから、心配し過ぎず冷静に・・・・


んじゃあ、読んでくれて有難う!
また会おうぜ!あばよ!


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