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【覚書】それは、ある日突然やってくる

最近、娘がパパに冷たい。
本当に、冷たい。
今朝も、「行ってきます」と言う娘にパパがソファから立ちあがろうとすると、
「パパはいい。来なくていい」と真顔で言う。
この真顔が怖い。
仕方ないのでパパはまた座る(というか、寝転がる)
私は玄関先まで娘を見送る。
毎日、娘が見えなくなるまで見つめている。
(以前は、ここに時々パパも加わっていた。)

娘と私が話しているところに、パパがニコニコとして入ろうとすると、
「パパに話してない」と言う。
いや、本当に冷たい。

これが普段から塩対応の娘なら、パパもまだこたえなかっただろうが、
娘はそりゃあもう、パパっ子で、数年前まではパパが帰るのが遅くなると、
「パパ〜パパ〜会いたい〜パパ〜早く帰ってきてよ〜」と大泣きし、
私と息子はドン引きしていた。
パパはパパで、そういう電話を受けて急いで帰ってきたらいいものを、
「ウヘヘヘヘ。可愛いやろ〜」とお酒の肴にしていたので、
大泣きしている娘を対処している私からしたらたまったものではない。

が、しかし、いざ娘が離れてみると
パパが大変わかりやすくシュンとなっているため、
いくら私でもざまーみろと思うことはできず、
かと言って、娘を叱りつけることもできず、
若干、夫に優しく接するぐらいしかできない。(ほんの心持ち程度に)

一体、何があったのか。
別に何もない。
と、思う。
お酒での失敗はもう本当に何年も前からあり、その度に娘に
叱られたり、お酒を飲むな、リビングで寝るな、お風呂に入れ、と
叱られては仲直りをし、ということを何年も何年も繰り返している。

パパは何を言っても叱らない、みたいなことが娘の中にあり、
事実そうであるので、
大体都合のいいようにパパと遊んだり、
甘えたい時はママみたいな感じで、
時には冷たいことを言っても、
パパの面倒を進んでみてきた娘。

が、この数ヶ月の冷たさは、確かに冷たい。

以前なら、パパと二人で公園に行ってきて、と言えば
二人で公園に行ったり、お茶しに行ったりしていたのに、
今は「二人は嫌。ママも一緒がいい」と宣う。

反抗期とは違うと思うが、でも、
つい、いつまでも赤ちゃんのように扱ってしまうところが私にも夫にも
あり、それが嫌なのだろうか、体を触らないで、とも言う。
それは本当に至極真っ当なことなので、パパには注意する。
女の子の体をむやみに触っちゃいけない、と。
(触る、と言ってもぎゅーっとするとか、背中をさする、とか
赤ちゃんの延長線ではあったのだが)
ただ娘には、言い方をもう少し優しくしてあげて、とは言う。

私にはまだまだお膝に座ったりしてくるものの、
パパには嫌なのか、最近くっついたりするところも見ない。

でも、じゃあ、大人になってパパが娘の体を触っているのはオッケーかというと
やっぱりダメなので、これはいつかくることなのだ、と私は思う。

まだお風呂に一緒に入りたくない、とは言わないものの、
「一緒に入ろう」とも言わなくなってきているので、
それも近いのかなあと思う。

学校に好きな男の子がいたり、去年は何度かパパと二人でお留守番させて私と息子で実家に帰ったりしたこととか、色々と要因はあるのかもしれない。

私もはっきりとは覚えていないが、
お父さんっ子だったのに、急に離れた時期があったそうだ。
私の記憶する限りは父親に、世間一般にいうような嫌悪感を覚えた
記憶は一切ないのだが、
父親曰く、一時期あまり話さない時期があったとか。

私が全く覚えていないように、
娘も悪気なんてちっともないだろうと思うし、
まだ小学生の娘に「パパの悲哀を理解してあげて」なんて
どだい無理な話である。

しかしながら、突然にやってきた
娘の「パパ離れ」に、夫はどう距離感をとっていいのか全くわからなくなっていて、何を話していいか、話しかけていいのかすらわからなくなっている。
背中に哀愁しかない。

かわいそうだが、乗り越えるしかない壁なのだよ。
がんばれ、パパ。
負けるな、パパ。
今を乗り越えたらまた「パパ、あれ買って〜」と擦り寄ってくる時期が必ずやって来る、はず。



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