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【覚書】卒業式の思い出

月曜日、娘の小学校が卒業式で娘は4連休となった。

なんでだろう。娘が休みだと全くPCを触る時間がない。

それはさておき、今年は卒業式とは縁がなく、
「あーそんな時期かあ」ぐらいだったのだけれど、
思い出されるのは娘の幼稚園の卒業式。
張り切ってfamiliarのワンピースを用意していたのだが、
娘は卒園式の前日、公園の滑り台で派手にすっころび顔には青あざ。
思い出の写真をたくさん撮ってもらう
晴れの日に、顔に青あざ。
いくら着飾っていても、顔に青あざ。
なんか…いろんな意味で恥ずかしい。
虐待だと思われていないだろうか、という不安も頭をよぎる。

娘はなんというか…親バカ満載で申し訳ないが、
可愛い。
顔云々ではない。
ちょっとアホなのだ。
そのアホ具合が可愛くて可愛くてたまらない。
何が可愛いって、
例えば体育の参観に行った時。
リレーの練習があり、体育館の中を一周回って次の子にバトンを渡す練習を
していた。
次の走者を先生たちが順に並べては、
バトンを受け取って、走り出す子どもたち。
その姿だけでも可愛い。
さて、並べられた娘。バトンを受け取ろうと、走ってくる子をじっと
見つめて待っている。
走ってくる子の方へ手を伸ばす娘。
走ってきた子から娘へとバトンが渡された。
と、その次の瞬間、娘は走る方向と反対方向へ走り出す娘。
走ってくる子の方へ体を向けていたために、
その態勢のまま前へ走ってしまったのだ。
気持ちだけは伝わるが、いかんせん反対方向である。
慌てて先生に止められていた。

その練習自体は、年中さんの時。
娘が通っていた園では、運動会の時、年長さんのリレーが
大トリの演目として用意されている。
1年前の失態を思うと、気が気でない私。
こんなにも大勢の人が見守る中、そして「勝ちたい!」と
子どもたちが一丸となっている中、娘がまた反対向きに
走り出したらどうしよう…
が、きっとその日までたくさん練習したのだろう。
バトンを落とす子もいたり、転んだりする子もいる中で、
娘はバトンパスをスムーズに終える。
声援を送りながら、ほっと胸を撫で下ろす。
年長さんの親たちはクラスごとに、コーナーに陣取って、
一番前でリレーを応援している。
私もクラスの親御さんたちと一緒に手を振り、声をあげ
練習していた。
私たちの前に差し掛かる娘。
その時、私を見つけて満面の笑顔になる。
そして、さらに、私に向かって手を振る娘。
か、可愛い…

違う違う。
いかん。他の子が一生懸命走っているというのに、
メロンメロンになっている場合じゃない。
「(娘)ちゃん!走れ!!!!」
手を振りながらもとりあえず急がなければいけないことを伝える。

手を振っている間におそらく二人ぐらいには
抜かれていた気がする。
親御さんたちは優しいので、一緒に笑ってくれたものの、
クラス内のどうしても勝ちたかった男の子には若干責められたらしい。
のほほんとした子が多いクラスで本当に良かった。

こんなこともあった。
娘が通う園では、年末に聖劇を行うのが最大行事なのだが、
聖劇に対する園の力の入れようは他の行事の非ではなく、
神聖で大切なもの、と子どもたちに教えられる。
劇の間も、「お父さんお母さんを見つけても絶対に手を
振っちゃダメよ」と教えられ、
保護者たちにも
「子どもたちがもし失敗して可愛いなと思ったとしても
絶対に笑ったりしないでください。子どもたちは真剣にしているのに
『笑われた』と思ってしまいますから」と厳重に注意される。
それでもまだ年少の子達はつい、お母さんを見つけたりすると
手を振ったりする子もいる。
が、役の与えられる年長になると先生の指導も細かく、
手を振る子もいない。
が、娘。
やってくれました。
聖劇というのはイエス・キリストが誕生した日を
劇にしている。マリアとヨゼフが天使からお告げを受け、
身籠り、その体で旅をしてその先の馬小屋で出産し、
博士や宿屋、羊飼いたちに祝福される様子までが描かれる。
娘の役どころは宿屋。
宿屋には一人一人手作りの宿が用意される。
娘は、一軒目に断られたヨゼフとマリアに「馬小屋なら空いています」と
案内する役どころだ。
一軒目にヨゼフとマリアが訪れている間、娘は
もう一方の宿の中で待機している。
「ああ、あの中に(娘)が入っているのね…ふふふ」と
宿を見た瞬間。
娘が中から手を振っているのが見える。
あかん、あかん!!!
ギョッとするよね。
息子の時から「神聖なものです」と教えられ、
先生方の取り組みの熱量と真剣さを知っているだけに、
いくら暗がりの宿の中とはいえ、
手を振る我が娘。
娘が可愛い私としては、「大物感漂うな」とか呑気なことも
思わないでもないが、他のお母様方の手前、恐縮し通しである。

そんな娘の卒園式である。
顔にあざがあろうとも、
「あんなに小さかったのに…」という感慨は深い。
一人一人名前が呼び上げられ、「はい!」と返事をし、
壇上の園長先生のところまで証書を受け取りに行く。
名前を呼び上げるのは担任の先生で、ここで声を震わせ
涙を滲ませる先生もいらっしゃったりして、
こちらも涙腺崩壊の準備はできている。
子どもの大きく凛々しい「はい!」がまた涙を誘う。
順番に呼び上げられる名前。
いよいよ娘の番である。
はい!!!」大きな声で返事をした娘は、
返事をすると同時に勢いよく右手を挙げる。
え…誰も手はあげてないよ?…
挙げた瞬間、娘も「しまった…」と思ったのだろう。
「あ…」という表情をする。
お母さん方はくすくすと控えめに笑ってらっしゃる。
ああ…最後にもやってしまった…
でも、私には可愛いばかりなのである。


もう卒園して何年も経つが、
卒業シーズンにふと思い出したので記しておく。
あなたのおかげで、私は楽しい気持ちが絶えない。
笑顔をたくさんありがとう。
幸せをたくさんもらえます。

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