【ドラマ感想】元カレは天才詐欺師〜38師機動隊〜

「元カレは…」とあるが、主人公は天才詐欺師を元彼に持つ、ソンヒではない。
主人公はソウォン市の税金徴収課に勤める、ペク・ソンイル。そして天才詐欺師のヤン・ジョンドだ。
ソンヒはソンイルの部下で、過去にジョンドと因縁のある感じ…という具合で出てくる女性。

あらすじ

ソウォン市の税金徴収課に勤める、ペク・ソンイルは来る日も来る日も、市民の滞納税を集めていた。上司の重圧に耐えながら、上司の顔色を見ながら、市民から嫌われながら…ある日、上司から徴収額の少ないことを指摘され、一番多く滞納しているマ・ジンソクのところへ向かう。マ・ジンソクは高額の税金を滞納しているにもかかわらず、高級車を乗り回し、豪華な家に住み、贅沢品に囲まれて生活している。しかし、市役所の人間と癒着していて、その税を徴収することができない。
上司は貧しいものたちから、税金を徴収し、一部のお金持ちには特権を与えている。ソンイルはおかしいと思いながら、何もできずにいた。
しかし、ある日、ソンイルは詐欺師ジョンドに出会う。
ジョンドにお金を騙し取られるのだが、ジョンドが言う。
「俺が高額滞納者からお金を徴収してやろうか」と。

中年の星、マ・ドンソク

ストーリーとしては悪徳大金持ちから、税金を徴収するという爽快な展開。安心して見られる。最後にはうまく行くとはわかっているが、どのように騙していくか、が見どころ。誰が裏切り者で、誰が味方に着くのか…そこを見守る。

映画「新感染」を観たという話を夫にしたところ、マ・ドンソクが好きだという話になった。「新感染」では身重の妻を必死で守りながら、嫌な性格のコン・ユ演じる主人公にダメ出しをし、いけすかねえなと言いながら助け、協力しゾンビを倒していく大変気持ちのいいやつ。
大きな体で、「昔アメフトとかやってました？」と聞きたくなるような力強さでゾンビを倒していく。
そういった役どころが多いらしく、観ていて爽快らしいのだ。

「彼の出てる映画は面白い」とのことなので、このドラマを観てみることに。
今作では、不器用でしがない公務員を演じている。口下手で、一緒に詐欺を始めたはいいが、うまく言葉は出てこないし、動きも遅い、鈍臭い。ビビって「やめよう」とすぐにジョンドに言う。けれど、正義感は人一倍強い。
そのコミカルな演技にいちいち笑えるのだ。大きな体をしているのに弱虫。けれど、地頭はいいのだろう、だんだんと詐欺の要領を掴み、自分でアイデアを出していく…全ての中年おじさんに観てもらって勇気をもらいたい役どころとなっている。

天才詐欺師、ヤン・ジョンド

ヤン・ジョンドを演じるのは、ソ・イングクさん。
この人どっかで見た事あるなぁと調べてみたものの、思い当たるのは、「ナビレラ」でのカメオ出演。ほぼ初めまして、のはずだがなんだか親しみが持てる顔立ち。左目の下にあるホクロも、どこか愛着がわく。
ジョンドは生意気な口調に、どこかバカにしたような態度、でも憎めない、そして、全て計算づくの演技。でも、どこか信用してしまうような空気があり、まさに、天才詐欺師。
ジョンドとソンイルは年もかなり離れているが、段々と心を通わせていく。
二人が魅せる、男の友情もまた良かった。

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マ・ドンソクさんの出てる作品をもっと沢山観ていたら、さらに楽しめたのかもしれないけれど、とりあえず詐欺師モノとして面白かった。脚本がよく作り込まれているなぁといつも思う。