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【読書#2】TRICK(トリック)

読んだきっかけ

Twitterのタイムラインで書評が投稿されていて読んだのがきっかけである。個人的にはこのようなジャンルの本は数冊読んでおりそれで十分かなとは思うが、Kindnessの部分が気になり手に取ってみることにした。読んでみると、全体を通して忘れていたことを思い出させてくれたり、Kindness以外にも学びが多かった。

TRICKとは

シリコンバレーのゴッドマザー、エスター・ウォジスキー流の教育哲学で、下記ワードの頭文字を取った言葉である。

Trust(信頼)Respect(尊重)Independence(自立)Collaboration(協力)Kindness(優しさ)

「Trust」から「Collaboration」については、本を読まなくてもなんとなく大事なように見えるし、内容も想像できる。一方、「Kindness」を育てるという視点は自分にはなかったので、なかなか興味深いテーマだと感じた。

全体を通して、私個人の感想をまとめてみる。

①自分の直感を信じよう!


「他の人の意見に振り回されないで!あなたの直感で思ったこと、大体合ってるから。」


イギリスに住み、初めての育児に奮闘していた頃、夫の同僚の奥さん(イギリス人看護師)が言ってくれた言葉だ。とても心に残った言葉で、腹に落ちた感覚がある。

言われてみればそうなのだ。著者も"どんな子育て専門家より、あなたのほうが家族をよく知っている"(p.80)と言うように、自分の子どものことは自分が一番わかるに決まっている。(他の人の話を参考程度に聞くことも時には必要だが)また著者は下記のような懸念もしている。

狭い領域の専門家にすべてをまかせてしまうと、親のわたしたちが自分で考えられなくなり、子どもにとっていちばんいい判断ができなくなってしまう。(p.81)

まずは自分が自分を信じること、そして子どもにとってベストな判断をすること。そこから子どもとのTrust(信頼)に繋がるということを感じた。


②自分は社会を変えることができる!と子供に思ってもらいたい

正直、これを教えるのはなんだか非現実的に思えてしまうのは、自分が大人になりすぎてしまったからだろうか。でも自分の子ども時代を振り返ると、親は自分がこういうことをしたい!と言ったらあなたならできる!といつも支えてくれたし、学校の先生は将来の夢を話すと応援してくれていた。

著者は本書の中で、社会を、世界を変える力を持っていると子ども達に言い続け励ましていたように思う。また「Kindness」を持てば、より良い社会が作られると信じている(例:Googleの有給産休の実現)。近年注目されているグリット(やり抜く力)を伸ばすことについても、個人のためだけでなく社会のためなどもっと大きい視点で意義があると言及している。

やり抜く力のいちばん大切な面は、それが人や社会のためになるということだ。個人の資質として見られがちだが、それが自分だけでなく、ちょっとしたことでも壮大なことでも、世界を変える力になることを理解してほしい。(p.232)


③結局は親自身が自分の人生を楽しむこと

正直、これに尽きると感じた。著者も述べているように、子どもは親の背中を見て育つ。親が何かに一生懸命になり努力していたら、子どもはきっと刺激を受ける。また、親が楽しく生きていれば、子どもも自然と自分の人生は楽しいものになるはずと思ってくれるだろう。本書の中でのダライ・ラマのメッセージは、とても印象に残った。

子どもが人生の意義を見つけるために親はどんな手助けができるでしょう?とダライ・ラマに聞いてみた。するとふたつのことを勧めてくれた。ひとつは、目的のない人生がどれほど空虚でおもしろくないものかを子どもにわかるように示してあげることだ。もうひとつの勧めは、意義ある人生を生きることの喜びをいきいきと表現してみせることだ。(p.358-359)

子どもができると、自分の人生の"自分"の部分が"ほぼ子ども"になる人もいると思うのだが、私はできるだけ自分と子供を切り離して考えていきたいと感じた。自分の人生の中で子どもが占める割合は40%位かな?と思えば、例えば子どもが友達の中でどれくらい勉強ができるか、などもあまり気にならず勝ちにばかりこだわることもなくなるのではないか。



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