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このごろ私 本当におかしいの

「ハレンチ学園 身体検査の巻」(1970)の巻。(以下、ネタバレあり、敬称略)

映画って、エッチ。

オープニングで児島美ゆきが歌う「十兵衛のこんなことってあるかしら」が、素敵でエッチ。
🎵このごろ私 本当におかしいの なんだかとっても 何となく困ちゃうー🎵
何に困っちゃてるのかしら?
🎵胸の辺りがぷくっと膨れてぷくっと膨れて、ばかーん 腰の辺りがきゅっと絞れてきゅっと絞れて、いやーん🎵

思春期を迎えて変化する身体へのトキメキと戸惑いが、明るいメロディーに乗せて歌われます。
性徴の時期って、心が不安定。
膨らみ始めた胸は痛いし、口の周りに産毛が生えて、満満からは血が流れ、朕朕が大きくなって、白濁液が出てきたりして……

原作は永井豪の漫画「ハレンチ学園」(1968ー1972、少年ジャンプ)。十兵衛役、18歳の児島らが下着、水着でピチピチ跳ね回る。シスター役の真里アンヌ、宮川和子のむっちり下着姿は、大人の色香にあふれ、艶っぽい。
初めは嫌がり恥じらう女子たちが、だんだん大胆になって、スケベ教師のヒゲゴジラやマルゴシ、男子生徒を圧倒し、やり込めるという展開はスカッとします。

こんなこと、よくぞ思いつくな、と呆れたのが、
宍戸錠扮するマカロニ先生と、やはり宍戸錠扮する殺し屋ジョーの決闘シーン。
「(銃を抜く)合図は白」
白ってなに? って思っていると、
並んだ女生徒が順番にセーラー服のスカートをそろそろとたくし上げていく。
太もも、続いてパンティーが現れる。
黄、青、赤(色と順番は正確でないかも)。白! バーン!
「バカですねえ」と山本晋也監督みたいにつぶやいちゃいました。

1970年前後は、多くの若者が、世間に政治に声を上げ、社会全体にパワーがあふれていたそうです。
この映画では、教師が下着姿の女性徒を人質に、教室に立て籠もり機動隊が出動するシーンが。
かつて都立新宿高校が学生によって封鎖されたことを思い出しました。音楽室からピアノのドビュッシーが流れてきたそうです。弾いていたのは、当時、高三だった坂本龍一さん。

映画や漫画、小説は、タイムカプセルなんですね。この映画も、当時の空気、当時のエッチをきっちり伝えています。

※映画の詳細は、
KINENOTE「ハレンチ学園 身体検査の巻」
※参考:
「ハイスクール1968」(四方田犬彦、新潮文庫)205ページ

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