天高く手を伸ばせば、海
ある晴れた日の軒下で、庭遊びする娘を見つめ、脚を泳がせ座っていたら、やわらかな声が「カーチャン」と叫んでこちらに駆けてきた。
「ヨイショ、ヨイショ」と声の主、カーチャンの膝をよじ登り「オスワリ、トン」と魔法の呪文。カーチャンは椅子に大変身。
王様気分のお姫様、ふっと顔上げ見つめた先に、手を伸ばしたくなる、一面の青。
綺麗な空だと見惚れていると、なんと手元のお姫様、満面の笑みで「ウミ!」と言う。
――なんて自由な世界だろう。
はしゃぐ娘を抱きながら、輝くその目を覗きこむ。
ああ、そういえば前の夏、福島に帰省した時に、賑わう海水浴場で、水平線を指差して「青い海だ!」と熱心に夫が教えていたっけな。
言葉の萌芽に目を細くした。
いつかは巣立つと知りつつも、まだまだ先で良いと願う。
でもいざその日が来たならば、好きな所へどこへでも、飛び立て、私の愛しいあなた。
次の土日は三人で、雲の魚を探しましょう。
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(以下、字数外)
リライトにあたるかどうかは分かりませんが、元ネタはこちらに記載のツイートです。本稿にツイートを埋め込んでしまうと雰囲気が変わってしまうので別記事にしました。
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