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「継続は力なり」が好きな母の話

私の母は今年還暦を迎えた

今年は母の誕生日に合わせて
日本に帰国ができて直接お祝いをしたり
妹と3人での女子旅もできた

私が4歳の時
母は書道の教室を自宅で開業した
私の友達も何人か習いに来てくれていて
一緒になって書道のお稽古をうけていたから
小さい頃から書道と母の字は身近にあった

書道教室には子どもから大人まで
これまで何十人という方が
母の書道を習いに来てくれた

家で教室を開くことに
家族からの理解が得られなくて
外で場所を借りていた時期があったり
体調を崩していた時もあったりしたけど
なんだかんだで
25年以上も生徒さんが途切れることなく
書道教室は続いている

年末年始には神社でお札を書くご奉仕
(バイトと言ってはいけないらしい)を始めたり

数年前には、デザイン書道を習いにいって
お店のロゴや服のデザインを始めたり

去年からはオンラインの大学に通い始めて
仕事の傍ら、実は大学生だったりもする

正直私よりも全然忙しそう笑


そんな母が何年も前から準備してきた
書道の個展が12月14日から始まった

1年前くらい前から
日程を決めて、会場をリサーチしてたけど
母のことだからもう何年も前から
この年にやるって決めてたんだと思う

妹が送ってくれたギャラリーの動画をみて
昔から家に飾ってあった作品もあれば
ここ数年で書き溜めた作品もあった

私自身、書道のことはさっぱりわからないし
芸術的センスもないけれど

ギャラリー中に飾られている作品たちは
これまでの30年近く築き上げてきた
母の書道家としての人生が
ぎゅっと詰まった空間であることは伝わった


小さい頃から母の字は見てきたから
母の字が日々進化しているのは
なんとなく気づいていて
美しい字はどんどん美しくなっていった

劇的に書風が変化したと感じたのは
やっぱりデザイン書道を始めた頃
これまで書いていた
墨汁だけの「美しい字」から
母の感情や想いが詰め込まれた
色味のあるアート作品が増えていった気がする

プライベートでも感情が波打つことが多くて
それを書道として表現できることは
母の楽しみの一つだったのかなと思うと
そういう表現方法がある母を
羨ましく思う時もある


母はよくリビングで書道をしてきて
テーブルや椅子の上に何枚も同じ作品が
山積みになる光景を目にしてきた
私たち姉弟は邪魔くさいな。。と
思っていたことも正直あった笑


そんな裏側を知っているからこそ
ここに飾られている作品たちの裏には
何十枚も何百枚も
丸めてゴミ箱行きになった作品があって
中には母自身が100%納得できていない
作品もあるのかもしれない

それでも筆を止めずに
書いて書いて、30年近く書き続けて
この書作展が完成したと思うと
私も心からおめでとう!
という気持ちが込み上げてくる
心ばかりだけど3人からお花を送った

ギャラリーの入り口には
お祝いのお花で彩られていて
たくさんの方が足を運んでくれていた
私の高校の親友たちや
お世話になった先生まで来てくれて嬉しかった

母のために大事な時間を下さって
ありがとうございます!

これほどたくさんの方々に見に来てもらえて
母もきっと嬉しかったと思うし
なにより
約30年間積み上げてきたものを
ようやく一つの形にできたことは
母の何よりもの喜びだと思う

小さい頃から母には
「継続は力なり」と言われて育ったけど
本当にそれを体現している母親だった

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