年末と年始と伝統
昨年末は年末感がまるでしなかった。
生活リズムの関係だろうか。
全くもって普段と変わらず、普段通りに生活をしていた。
正月の飾り付けをし、正月に必要なものを売り出していた。
街はすっかり正月モードだった。
それなのに、人々からは年末感があまり感じられなかった。
年末年始もどこかしらのお店は営業している。
昔では考えられなかった。
ほとんどのお店も人も仕事を休み、正月三が日は静かに過ごしたものだ。
例えば、年末は自宅で過ごし、年明けを祝い、正月を迎える。
日本人の多くがそんな年越しをしていた。
今や新しいアミューズメントが生まれ、新しいコンテンツも生まれた。
イベント会場でカウントダウン、好きな人、友達と見る初日の出。
一人でテレビを見たり、ゲームをしたり、SNSをしたり。
年末の過ごし方も多様化してきた。
これが時代というものなのだろうか。
日本の伝統は薄らいでしまったのだろうか。
だけど知っている。
日本人の中にある日本の伝統というものは決して薄れてはいない。
年末におそばを食べ、正月にはおせちやお雑煮を食べる。
家で作ることは少なくなったとはいえ、伝統的な日本の正月だ。
神社仏閣へ初詣に出かける。
このときばかりは神仏を信じない人でも、お賽銭を投げ、神に祈る。
年を追う毎に節目の行事をおろそかにしているように見える。
だがしかし、決しておろそかにはしていない。
しっかり日本の伝統行事を執り行っているのだ。
過ごし方は人それぞれで良い。
人の中にある、日本人としての誇りや伝統を重んじる心が、
何も考えていなくても人々を動かしている。
気付いていなくてもしっかり根付いているのだから。
歴史とは、伝統とは、そういうものではないだろうか。
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