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ローラースケートの止まり方①:基本のストップ

 今回は基本に帰って、止まり方について考えていきたいと思う。ローラースケートでの止まり方には、たくさんの方法がある。

・プラウ・ストップ

・片足のトウストップ

・両足のトウストップ

・Tストップ

・ホッケーストップ

 他にもまだいろいろな止まり方があるが、代表的なものはこれくらいだと思う。まずは、自動車が止まるのと同じように、ゆっくりとブレーキをかけて徐々に止まる方法を練習する。止まるためには、止まりたい場所から十分な距離をとってブレーキをかけていくことが大切だ。プラウストップ、片足のトウストップ、Tストップはこの止まり方になる。

 これができるようになったら、急ブレーキをかけて少しスライドする止まり方を練習する。バックの両足のトウストップはこの止まり方だ。

 そしてかなり滑れるようになってきたら、ピタっと止まるホッケー・ストップにチャレンジしてみよう。

 まずは、プラウ・ストップから。


■プラウ・ストップ(ハの字ストップ&イの字ストップ)

 スキーをしたことがある人ならすぐに感覚がつかめる簡単な止まり方が、プラウ・ストップだ。両足を地面につけたままできるので、なかなか片足でのバランスがとれない初心者の人でも安心してできる。

 やり方は、スキーのボーゲンのように内側のエッジを意識して足をハの字に開きながらブレーキをかける。日本ではハの字ストップ、英語ではプラウストップと呼ばれている。

 そして、これを片足だけでやるのがイの字ストップだ。軸足に体重を移動して、片足をイの字形に前に突き出すようにしてブレーキをかける。こちらは、英語ではワンフット・プラウ・ストップと呼ばれている。

  また、日本ではこのプラウストップのことを「ダービーストップ」とも呼ぶそうだ。(※アッチさんご指摘ありがとうございます!)

↑ ダーティ・デボラによる動画。ハの字ストップは、体重をしっかり真下に向けてかけると止まれる。5:50からは、これの応用編として片足のプラウストップ(イの字ストップ)を教えてくれる。

↑ ダービー・ウェアハウスというお店の動画。実際にハの字ストップがどのようにローラーダービーで使われているのかよく分かる。

↑ Moxiの、アボミナトリックスが解説するプラウ・ストップの回。イの字ストップをする時に、ブレーキの方の足をきゅっとひねる方法を教えてくれる。

↑ ローラーダービーのラナ・ラブハーツによる4種類のプラウ・ストップ講座(ハの字、イの字、バックハの字、バックイの字)。ローラースケートのハの字ストップは、こういう風にV字→ハの字で円(又はひし形=ダイアモンド)を描くような止まり方をする人も多い。

1:15からイの字ストップ。いろいろなやり方があるが、この人は最後にブレーキの足はインサイドではなくアウトサイド・エッジに力を入れるそう。2:30からはバックのプラウ・ストップ。ダービーでは後ろ向きに止まることも多いので、バックでのハの字、イの字も使うそうだ。アーティスティックではこのやり方は習わないので、おもしろい。このバックの片足プラウストップは、ちょっと前に紹介した動画のBehind the Scenesでハーレイクイン役を演じるためにマーゴット・ロビーが練習してたな、そういえば。3:00からはボーナスとしてホッケー・ストップも解説している。ホッケーストップについては、次回

↑ This Radによるパワーストップ動画。片足のバックのプラウストップをハイスピードでやると、このようなパワーストップ、パワースライドになる。

↑ rollerdancemanの動画。こちらは、ローラーダンスの動きとしてゆるやかにバックの両足のプラウストップ(バックのハの字)を使っている。なるほど、こういう使い方もあるのか。


■片足のトウ・ストップ

 アイススケートやインラインとは違い、ローラースケートには、トウストップという機能がついている。これを使った止まり方は、ローラースケートならではの止まり方だ。うちのアーティスティック・ローラースケートのクラブでは、プラウストップは教えず、最初からこちらを教えている。見た目にも美しい止まり方である。

 やり方は、軸足に重心をかけながら膝を曲げて重心を落とし、もう一方の足を後ろでブレーキとして使う。ブレーキになる足は、つま先を伸ばし、少し外側に向けてトウストップを地面につける。ちょっとトウを引きずるような感じだ。トウストップが地面と擦れてブレーキとなるシンプルな止まり方だが、ポイントは、軸足となる片足にほぼすべての重心をかけること。

 トウストップは、比較的安価で簡単に交換できる部品の1つだ。減ってしまうことを気にせずガンガン使っていこう。減ってきたら、少しずつ位置を下にずらしていきながらゴム部分が完全になくなるまで使うこともできるし、あまり使わない方の足のトウストップと交換することもできる。

↑ シュアグリップという、スケート靴のメーカーのチャンネルに出演しているダーティ・デボラの動画。簡潔で分かりやすい。

↑ インディ・ジェマ・ジョーンズによる動画。トウストップの解説は3:30まで。その後はTストップやプラウストップの説明になる。インディとピジョンはいろいろあったらしいのだが、こうやっていつかまた仲良く一緒に動画に登場して欲しいものである。

↑ ダーティ・デボラの何度目かの止まり方講座。もしトウストップがはねてバウンスしすぎるようなら、もっと体重を落としてトウに力をかけて止まること、と説明している。そのやり方の方が確かに早く止まるが、私はもっと省エネなやり方で、トウストップのゴムがはねすぎてしまう時は、逆にトウの力を抜いてはねない程度に滑らせてから、徐々に力をかけていくようにしている。こうすると止まるまでの距離は伸びるが、無理がない。

4:12からはトウストップを使ったバックの片足ストップのやり方を説明している。バックの時は、ただ片足を後ろに伸ばしてつま先を下に向け、トウを滑らせるように床につけるだけだ。その後は両足のトウストップのやり方を説明しているが、そちらについては次回を参照。


■Tストップ(T字ストップ)

 これも、ローラースケートでは一般的な止まり方だ。私はウィールがへたるのが嫌なので、あまり使わないが。トウストップを交換する方が安上がりだし、効率がいいと思ってしまう派だ。ただし、アーティスティック・ローラースケートでもトウストップがついていない靴を使うフィギュア(アイスのコンパルソリみたいな、図形を描く競技)の場合は、基本的にこのTストップを使う。フィギュアではスピードを出さないので、ウィールを痛めることもない。

 やり方は、体重を完全に軸足に移して、もう一方の足を後ろでT字に置き、4つの車輪すべてを床に接触させてブレーキにする。できるだけアウトサイドの車輪に力をかけるイメージでやると、インサイドの車輪のリップ(端)を斜めに削ってしまうことなくTストップができる。

↑ ジプシーによる解説動画。前足に体重を乗せて、怪傑ゾロのポーズからT字に持ってくるように、という説明がわかりやすい。

↑ Moxiから、アボミナトリックスの動画。膝をしっかり曲げること。ブレーキの足の内またの筋肉をしっかり使う。ブレーキの足の小指を引きずるイメージでやるといい、というのは良いアドバイス。

↑ スケートプロ・ローリングの動画。

↑ Flaneurzの動画。かっこいい。Flaneurzというのはフランスのローラースケート靴のブランドで、プレート部分がカチっと外れて普通の靴になったり、カチっとはめるだけでローラースケートになったりする画期的な靴だ。普通の靴として買い物や食事をして、帰り道ではローラースケートをはめて使う、なんてことができるらしい。


 いつもローラースケートの動画を探すのに苦労するのだが、今回のストップ方法については、ここに紹介しきれないほど沢山の動画を見つけた。こういった基本の動き以外にも、もっともっと沢山の人がローラースケート動画をアップしてくれるようになればいいのになぁ。特にアーティスティック・ローラースケート関連のものは、本当に少ないから。

 ローラースケートの止まり方②:急ブレーキ&応用編へ続く。


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