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どうすればよく眠れて、朝スッキリ目覚めることができるのか?(読書メモ)

「最強の覚醒」をつくる睡眠、「最高の睡眠」をつくる覚醒

「最高の睡眠=量ではない」
「眠りについての悩み=量では解決しない」それでは改めて、最高の睡眠とは何だろう?
答えは、「脳・体・精神」を最高のコンディションに整える、「究極的に質が高まった睡眠」となる。

睡眠と覚醒(パフォーマンス)はセットになっている。
脳・精神・体のコンディションを整える質の良い睡眠をとれば、仕事でも勉強でもパフォーマンスの高い一日が送れるし、単に量を求めてだらだら眠ったら、調子が崩れてしまう。

眠っている間に、私たちの脳や体では、さまざまな営みがおこなわれている。朝、起きたときにベストな状態になるよう、睡眠中の脳と体の中では、自律神経や脳内化学物質、そしてホルモンが休みなく働いているのだ。
眠っている間の脳と体の働きをベストなものにして「睡眠の質」を徹底的に高め、最強の覚醒をつくり出す。

睡眠の問題を「時間」でコントロールするのは難しい。
いかに睡眠の質を高めるかが重要になってくるのである。

睡眠メンテナンスで意識したいのが、「最初のノンレム睡眠」をいかに深くするかということ。
ここで深く眠れれば、その後の睡眠リズムも整うし、自律神経やホルモンの働きも良くなり、翌日のパフォーマンスも上がる。
つまり、入眠直後のもっとも深い眠りの90分が、最高の睡眠の鍵を握っているのだ。

夜に秘められた「黄金の90分」の法則

何時間寝ようが、最初の90分が崩れれば、残りも総崩れになってしまう。

最初の90分がしっかり深く、その後も正しい睡眠パターンどおりになっていれば、「朝起きたときに調子がいい」「パフォーマンスが高い」のは当然で、逆に身体疾患や精神疾患のある患者は最初の深い90分のノンレム睡眠が出現しにくい傾向がある。

「睡眠で一番大事なのはいっ?」と聞かれれば、それはやはり「最初の90分」。黄金の睡眠時間に関しては、やはり「90分」だ。
肝心なのは最初のもっとも深いノンレム睡眠に無事たどり着くこと。

最初の90分が「黄金」になるメリット

メリット①
寝ているだけで「自律神経」が整う
入眠して眠りが深まっていくとき、交感神経の活動が弱まり、副交感神経優位になる。「活動時は交感神経、休息時は副交感神経」という自律神経の役割交代がスムーズに進むと、脳も体もリラックスし、しっかり休息をとることができる。
「黄金の90分をしっかり眠る」というのは、自律神経を整える最高の方法だ。

メリット②
「グロースホルモン」が分泌する
最初の90分を深く眠れば、グロースホルモンの80%近くは確保できることになる。
「黄金の90分には、脳のコンディションを整える働きがある」「脳のコンディションが黄金の90分に反映される」

どうしてもその日中に終える仕事がある場合、どうすればいいのか?

「もう、午前0時。でも、どうしても資料を作らなければならない」といった夜が、あなたにもきっとあるはずだ。そんな夜でも、徹夜だけは避けてほしい。
私がおすすめするのは、眠気があるならまず寝てしまい、黄金の90分が終了した最初のレム睡眠のタイミングに起きて、資料作りにとりかかるという作戦だ。

アラームをセットするならば「90分後」と「100分後」(ないし「110分後」)の2つをおすすめする。

すぐに・ぐっすり眠るためのスイッチ

「体温」と「脳」に眠りスイッチがある

「体温」と「脳」というスイッチによって、あなたの体と頭はスリープモードに切り替わり、睡眠が劇的に変わる。

寝る90分前に入浴をすませる

皮膚温度を「上げ」、手足にたくさんある毛細血管から熱放散することで、効率的に深部体温を「下げて」いるのだ。
眠っているときは深部体温は下がり、皮膚温度は逆に上がっている。

大切なのは皮膚温度と深部体温の差を縮めること。そのためにはまず、皮膚温度を上げ、熱放散して深部体温を下げなければならないのだ。

0.5°上がった深部体温が元に戻るまでの所要時間は90分。入浴前よりさらに下がっていくのはそれからだ。
つまり、寝る90分前に入浴をすませておけば、その後さらに深部体温が下がっていき、皮膚温度との差も縮まり、スムーズに入眠できるということだ。

「忙しくて、寝る90分前に入浴をすませるなんて無理だ!」と言う人は、深部体温が上がりすぎないように、ぬるい入浴かシャワーですませよう。

体温効果を上げる「室温コンディショニング」

室温を整えておかないとメリットを引き出せない。

「モノトナス」の法則

モノトナス(単調な状態)にすることは、眠るための脳のスイッチである。

「明日早い!」ときの秘策はこれ!

「1時間早く寝る」というのは睡眠禁止ゾーンへの侵入だから、かなり難しい。逆に、フォビドンゾーン現象を理解しているのであれば、「いつもどおり寝て、睡眠時間を1時間削る」ほうが、すんなり眠れて質が確保できる可能性が高い。

明日は早い!」と突然判明した日は、無理せずいつもどおりの時間に寝るー質を確保するほうがいいだろう。
それでも、という方は、1時間早めに裏たいなら、いつもより1時間早くお風呂に入って、ストレッチなど軽い運動を組み合わせて体温を作為的に上げる。

睡眠の質を確保したいなら、まずは起床時間を固定しよう。
たとえ睡眠時間が足りなくても、無理やりであっても、まず起きる時間を決めることで就寝時間をセットする。

睡眠のパターンができたら、次は寝る時間の固定。毎日は無理でも、ベーシックな寝る時間を定時にするのだ。「入眠潜時」ならぬ「入眠定時」である。

入眠定時が脳にセットされることで、黄金の90分もパターン化されるだろう。

最高のパフォーマンスをつくる「覚醒のスイッチ」

鍵は、2つの覚醒のスイッチを押すことである。
2つのスイッチ、それは「光」と「体温」だ。

覚醒のスイッチ「光」

眠りを促すホルモンとしてよく知られているメラトニンは、朝の光によって分恐が抑えられ(覚醒)、夜になると分泌が促される。

これまでは「強い光」という愛味な表現を使わざるをえなかったのだが、網膜で470ナノメーターという単位の波長を感知すると、覚醒度を上げたり、パフォーマンスが上がることが最近の研究によりわかっている。

光はいうまでもなく、朝、昼、晩をつくり出す。季節によっては夜が長くなったり短くなったりするが、24時間の周期性になっていることは間違いない。
私たちの朝と夜は光なしでは訪れないし、体温、自律神経、脳やホルモンの働きも、光がないとリズムが崩れて調子が悪くなってしまうのだ。

朝は太陽の光を必ず浴びる習慣をつけよう。

覚醒のスイッチ「体温」

覚醒時はしっかりと体温を上げてスイッチオンにしておくのが、良い覚醒を保つうえでは大事なのだ。

朝食には、体温を上げ、一日のリズムを整えて活動を始めるためのエネルギー補給という役割がある。
朝食には「体内時計のリセット効果」と「肥満防止効果」があり、まさに一石二鳥なのだ。

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