Zoomミーティングでブレイクアウトルームを行なう方法

Zoomミーティングでのブレイクアウトルームは、おそらくZoomならではの人気の機能ではないかと思います。
一つのミーティングに何十人も参加している時に、少ない人数どうしで部屋分けが出来ます。
部屋分けは、誰をどの部屋に割り当てるか決めることも、Zoomにランダムに割り当ててもらうことも出来ます。
ランダムに割り当てるのは例えば飲み会などでのグループシャッフル、手動での割り当ては興味のあるテーマごとにメンバーを割り振るのに便利だと思います。
グループシャッフル機能は、現実での飲み会での席替え以上に気軽に行えて、そのミーティングに出席している多くの人と話すのを可能にしてくれそうです。

ブレイクアウトルームは、パソコンのZoomソフトウェアでミーティングを開催する時に使える機能です。
ベーシック(無料)でもプロ(有料)でも使えます。
ミーティングを開催しているホストのみがブレイクアウトルームの操作をすることが出来るようです。交代後のホストや共同ホスト(プロ版の機能)が行うことは出来ないようでした。

Web上のZoomのアカウントの設定のミーティングタブで、ブレイクアウトルームのスイッチをオンにしておきます

ブレイクアウトルーム
ホストはミーティング参加者を別々に小さいルームに分けることができます

ミーティングを開催します。
Altキーを押すと、ミーティングコントロールが表示されたり消えたりします。左端はミュートボタンです。
ミーティングコントロールボタンが表示されている状態で、タブキーを押して行き、ブレークアウトセッションボタンを探します。
ブレークアウトセッションボタンでエンターします。
Zoomの画面が最大化されていない場合、その他のミーティング管理メニューボタンでエンターを押し、ブレークアウトセッションでエンターします。

ブレークアウトセッションの作成ダイアログが開きます。
何人(自動的にカウントされる)の参加者を次に割り当て何セッション(数字を指定する)
自動 手動
セッションあたり何人(自動的に計算される)の参加者
セッションの作成ボタン

となっています。これらをタブキーで移動出来ます。
自動、手動はラジオボタンで、左右矢印キーで切り替え、タブキーで進みます。自動、手動のうち、最後に読み上げられた方が選択されています。

まず、自動の場合を説明します。
自動の場合は、部屋数(セッション)を設定します。数字を上下矢印キーで増減出来る他、数字での入力も出来ます。
最大は50のようです。
例えば、30人(ホスト除く)の参加者を7部屋に分ける場合、4-5人が1セッションに割り当てられます。
タブキーで進み、セッションの作成ボタンを押します。

ブレークアウトセッションの画面になります。
タブキーで、ルームリスト、再作成、オプション、セッションの追加、すべてのセッションを開始ボタンを移動出来ます。
ルームリスト内は上下矢印キーで確認出来ます。部屋の番号、その部屋に割り当てられたユーザー名の順に読まれます。
再作成ボタンでは、ブレイクアウトセッションの作り直しをします(自動や手動など、一画面前から)。
オプションでは、次の設定が出来ます。タブキーで移動し、スペースキーでチェックを付け外し出来ます。チェック状態も読み上げされます。
全参加者を自動で分科会室に移動
参加者がいつでもメインセッションに戻れるようにします
分科会室は次の時間に自動的に閉じます 何分
時間切れ時に自分に通知
分科会を閉じた後のカウントダウン
カウントダウンタイマーを設定 何秒

全参加者を自動で分科会室に移動にチェックをしておくと、「移動します」ダイアログが表示されないため、スムーズな移動が可能になると思います。チェックがない場合、参加者が分科会室への移動について、ダイアログでOKを押すなどの操作が発生します。
参加者がいつでもメインセッションに戻れるようにしておくと、分科会からメインの部屋に、他の部屋とは違うタイミングで戻って来ることが出来ます。そうでない場合は、ホストが分科会を終了するタイミングで全部の分科会の参加者がメインセッションに戻って来ます。
分科会室を自動的に閉じる設定、分科会を閉じた後にどのくらいの時間でメインセッションに戻るかのカウントダウンタイマーの設定などが出来ます。

設定をしたら、全てのセッションを開始ボタンを押します。
参加者は、同じ分科会に割り当てられた参加者とのみ会話が出来、他の分科会の参加者の声は全く聞こえなくなります。
現実の会議室で机を移動して分かれるよりも、手軽に分けられ、他のグループの話が気にならない、グループ分け機能になります。(続く1)

セッションが開始すると、ホスト以外のメンバーがそれぞれ割り当てられた分科会に入っている状態になります。ホストは最初、どの分科会にも参加していませんが、進行しているどの分科会にも一つずつ参加することが出来ます。他の人は全員他の部屋に入っていて、一個ずつ訪ねて行くイメージです。
タブキーで回ると、
ツリービュー
全員宛てのメッセージを送信
全てのセッションを停止
の3つがあります。
ブレークアウトセッションのウィンドウが表示されている間は、フォーカスはそのウィンドウの中しか移動しません。Escキーを押すと、ブレークアウトセッションのウィンドウを閉じることが出来ます。閉じてもブレークアウトセッションは終了しません。もう一度ブレークアウトセッションのウィンドウを出したい時は、タブキーでブレークアウトセッションに移動してエンターします。
ツリービューの中に、ブレークアウトセッションの部屋の名前と、その部屋に入っている人の名前が順に書かれています。
下矢印を押して行くと、
ブレークアウトセッション1展開
HP Mina(参加者名)
ブレークアウトセッション2展開
Mina iPhone(参加者名)
と読みます。
ブレークアウトセッション1展開と読まれたところでタブキーを押すと、参加ボタンがあります。参加ボタンを押し、はいボタンを押すと、ブレークアウトセッション1に参加出来ます。ブレークアウトセッション2も同様です。
ホストがブレークアウトセッションから退出する時は、タブキーで、ルームを退出するボタンまで進み、押します。ミュートなどのボタンと一緒にミーティングコントロールバーの中にありますので、もし表示されていない場合は、Altキーを押して表示と非表示を切り替えてみて下さい。ルームを退出するボタンでエンターし、タブキーで回ると、全員に対してミーティングを終了、ミーティングを退出、ブレイクアウトルームを退出する、キャンセルの4つの選択肢がありますので、ブレイクアウトルームを退出するでエンターします。
ブレイクアウトルーム退出後、メインセッションに戻ると、ブレークアウトセッションのウィンドウは閉じていますので、タブキーでブレークアウトセッションボタンに移動してエンターして表示します。
ブレークアウトセッションのウィンドウで、先ほどと同様な操作で別の部屋に参加出来ます。
ホストがブレークアウトセッションのウィンドウで行なえるもう一つの操作は、参加者を別の部屋に移動することです。下矢印でHP Minaに移動します。タブキーを押すと、移動先と読まれます。エンターすると、移動可能な部屋の名前が表示されます。今回の場合、ブレークアウトセッション2と読まれます。下矢印キーで選択してエンターすると、その参加者は選択した部屋に移動します。
ブレイクアウトルームに入った参加者が、新しく行えるようになる操作は、ヘルプを求めると、ルームを退出するです。タブキーでヘルプを求めるに移動してエンターを押し、タブキーでホストを招待に移動してエンターを押すと、ホストに例えば次のような通知が送られます。「ブレークアウトセッション2のHP Minaがヘルプを求めました」タブキーを押すと、「ブレイクアウトルームに参加する」または「後で」を選んでエンターを押すことが出来、すぐにヘルプのあったブレイクアウトルームに移動するか、後回しにするかを選ぶことが出来ます。後回しになった場合、参加者側のダイアログには「ホストは現在他の人にヘルプを提供しています。あとでもう一度やり直して下さい」と一定時間表示されますが、読み上げがありませんのでその判断は難しいかもしれません。いずれにしてもホストが来るまで待つ他の手段はなさそうです。
次に、ルームの退出です。参加者は、タブキーを押してルームの退出まで進みエンター、タブキーでミーティングから退出、ルームの退出、キャンセルの3つからルームの退出を選んでエンターして、ルームから退出します。一度参加者がルームを退出してしまうと、参加者自ら元いたルームに戻ることも、ホストが参加者を元いたルームに戻すことも出来ません。ホストが参加者を別の部屋に割り当てる操作は出来ますが、その部屋に参加者は入って行けないようですので、ご注意下さい。
このあたりは、プロアカウントがホストとなってミーティングを行い、他の参加者を共同ホストに割り当てると、共同ホストは自由に部屋を移動出来る(ただしiPhoneは割り当てられた部屋とメインとの出入りのみ)ようですので、解決出来るかもしれませんが裏技的な感じはします。
最後に、ホストがブレークアウトセッションウィンドウ内をタブキーで移動して、全てのセッションを停止でエンターすると、ブレイクアウトセッションが終了し、全ての参加者がメインルームに戻って来ます。なお、ホストがもう一度ブレークアウトセッションのウィンドウを開くと、この部屋の割り振りは残っており、同じ組み合わせで再度ブレークアウトセッションを開くことも出来ます。組み合わせを変えたい時は、再作成でエンターします。(続く2)

最後に、手動でのブレイクアウトルームへの参加者の割り当てを説明します。
まず、ブレークアウトセッションボタンを押して、ダイアログを表示します。
タブキーを押して、セッションの数を設定します。部屋の数です。上下矢印キーで増減、または、数字キーで入力します。
タブキーで移動し、セッションの作成 自動 ラジオボタン、と読んだところで、右矢印キーを押し、手動にします。
セッションの作成ボタンでエンターします。
ブレークアウトセッションの部屋分けのダイアログが出ます。ダイアログ内はタブキーで移動します。

ブレークアウトセッション ツリービュー
再作成ボタン
オプションボタン
セッションの追加ボタン

ブレークアウトセッション ツリービューに移動してから、上下矢印キーを押すと、作成した部屋のリストを移動出来ます。例えば、
ブレークアウトセッション1
ブレークアウトセッション2
ブレークアウトセッション3
となります。
下矢印キーでブレークアウトセッション1と読まれたら、タブキーを押すと、ブレークアウトセッションに対する操作をすることが出来ます。順番に、
名前の変更
削除
割り当て
です。
参加者の割り当ては、この割り当てから行います。
割り当てと読まれたら、エンターを押します。すると、参加者のリストが表示されます。タブキーでリスト内を移動します。参加者は、参加者名とチェックボックスが表示されています。参加者名が読まれたところで、その参加者を現在設定しようとしている部屋にする場合は、チェックボックスにスペースでチェックを入れます。チェックボックスのチェック、チェックなしはNVDAでは読まれていました。
ここで、リストに現れる参加者名は、アルファベット順や数字順に並びますので、例えば、参加者名の先頭にあらかじめ部屋分けのアルファベットを付けておくと、同じアルファベットの参加者が近くに並ぶので、部屋ごとにチェックを付ける際に便利です。
同じ部屋に入れる参加者に全部チェックを付けたら、エスケープキーを押すと、部屋名の下に参加者名が入ります。
エスケープキーを押した後は、割り当てにフォーカスが当たっています。Shift+Tabキーで、部屋名が読まれるところまで戻ると、下矢印キーで、リスト内を移動出来るようになります。部屋名の次に、その部屋に入っている参加者が一人ずつ読まれます。そして、次の部屋名まで行きます。
同じように、その部屋に入れる参加者を設定します。
このように、部屋に対して参加者を設定出来る他、リスト内の参加者に対しては、他の部屋への移動の操作も出来ます。参加者が読まれるところで、タブキーを押すと、移動先や、交換という項目が出て来ます。移動先でエンターすると、部屋名のリスト、交換でエンターを押すと、部屋名と参加者名のリストが出て、他の参加者と居場所を交換出来ます。
移動先の部屋のリストは、タブキーで移動し、部屋名でエンターすると、決定されます。
交換の参加者リストは、エンターを押した後、上下矢印キーで移動しますが、NVDAで、「リスト項目 選択」という読み上げしかなく、部屋名と参加者名が読まれないので、実質的には使用出来ない操作となっていそうです(2020/7/11時点)。
ブレークアウトセッションや、参加者ごとの操作項目にタブキーでうまく移動出来ない場合は。セッション名や参加者名が読まれるところで一度上下矢印キーで行って戻ってからタブキーを押してみて下さい。
割り当てが終了したら、タブキーで、すべてのセッションを開始ボタンでエンターします。
ホストがスクリーンリーダーでの読み上げを聞いていると、参加者がミーティングを退出と読まれるため焦りますが、メインセッションを退出してブレイクアウトルームへ移動していますので心配ありません。
なお、各参加者の部屋の移動の操作は、ブレークアウトセッション中にも同じように行なうことが出来ます。
ミーティング中の操作は、上述した通りです。

以上で、ブレイクアウトセッションの設定方法についての記事を終わります。
CSVファイルを用いた事前ブレイクアウトセッション割り当て方法についても記事を書きましたので、参考にして下さい。

Zoomにて、CSVファイルを用いたブレイクアウトルームへの事前割り当て

zoomのスクリーンリーダー利用について、私の記事をピックアップしてまとめたサイトは、下記もご参考にどうぞ。

zoomについて、自分の記事のリンクリスト 主にスクリーンリーダーとの利用について


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