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mina
2018年4月9日 22:43
始発の列車に乗り込み、数日間滞在したバンコクをあとにした。空がだんだんと明るくなり、ボックス席の隣と向かいでは、サリーをまとったご婦人グループがおしゃべりに花を咲かせ、車内販売のサンドイッチをつまんでいる。窓から吹き込むのは、初夏の風だ。 旅は、移動の記憶だ。遺跡が大好きだけれど、帰国してから日常のあらゆる瞬間に思い出すのは、移動の途中で出会った人ばかり。見かけただけの人を鮮明に憶えて