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気持ちの落としどころを探る①
気持ちが不安定になる
自分が乳がんを患っているということが分かってからは、身体よりも心がきつかった。
告知を受けた日は、脳みそが興奮状態であまり眠れなかった。
その次の日は、眠れたけど早朝に目が覚めた。病気のことをネットで検索しているうちに、ひどく悲しくなって涙が止まらなくなってきた。
なんで、がんになったんだろう?
私の病気は本当に治るんだろうか?
もしかして、長生きはできないんだろうか?
そんなことがぐるぐると無限ループのように脳内をかけめぐった。
病院の先生からは、告知を受けてから2週間くらいは気持ちが落ち込んだり、涙が出たり、不安になったりする人が多いとのこと。ただ、しばらくすると病気を受け入れられるようになるといわれた。
この数日間は、ずっと胸の辺りがブルブル&ワナワナと震えていた。
病気のせいかなと思ったけど、おそらく強烈なストレス&不安のせいだったみたい。気持ちが落ち着いてくると消えていった。
家族への告知
もう一つの心配事。
同居している親にいつ言おうか悩んだ。
病気のことを言ったら、心配するに決まっている。
でも、これから治療で通院したり入院したりしたら、秘密にすることは難しい。
悩んだ末、早く話してスッキリしたほうがいいと思い、勇気を出して両親に話をした。告知をしたとき、母は泣き、父は無言で宙を見つめていた。二人共、何といっていいのか分からない様子だった。でも最後には、家事や育児は任せていいから、がんばって治療しなさいと言ってくれた。
夫の涙
夫はあまり感情を表に出すタイプではなく、普段はいたってクールな表情をしている(たまに能面かと思うくらい)。
でも、告知のあった日、夫の部屋に入ってみると彼は酒を飲みながら泣いていた。結婚してもうすぐ10年。カープが優勝した日に嬉し涙を見て以来、私は彼の泣いた姿を見たことがなかった。
どんなにピンチのときも冷静で穏やかな夫。
そんな彼の涙を見ていると、いま、私と私の家族は大きな試練に立ち向かっていることを実感した。
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