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タイムマシーンはこない

中3の息子が修学旅行から無事帰ってきた。
コロナ禍に青春が幕開けた彼だったが
6年生の修学旅行、運動会を全部やり終えた
3学期の卒業間近、休校になり
ギリギリ卒業式だけは出来た。
入学式も学校の計らいでなんとか出来て
休校はあったものの
体育祭、文化祭は毎年行われていた。
親へ公開する体育祭は中3のみで
先日、体育祭に行った時には
6年生だった彼らがあっというまに大人になって
しまったような、衝撃を受けた。
あぁ、本当になんでこんなに大きくなったんだろう
彼はついこの間まで私がいつも追いかけて
抱っこしていたのではなかったのか
子育てに行き詰まった時
今のあなたは
何十年後からタイムマシーンにのって
もう一度子育てを楽しむためにやってきたんだよ
と言われたことがある。
何度後悔しても、今日のこの子には会えないんだよと。

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息子達の成長に感謝しつつも
驚くほど早く過ぎた年月に
無駄だと思っても願う日がある
もう一度あの子に会いたい
私の隣ですやすやと寝ていた
おっぱいがなかなかやめられなかった
歩き出すのが遅くてお尻で器用に移動していた
離乳食を吐き出しては泣いた
夜泣きをしてはベビーカーで散歩に行き
静かな田舎町に走る車をひたすら見つめていた
あの小さかったあなたに会いたい
そして、あなたを抱きしめる私に教えてあげたい
何にも困らずに心配しないで
目の前のその子だけ信じて見つめてって
1歳から保育園にいれて職場復帰した私に
子供と仕事を両立する日々はまるで戦場だった
全く器用にこなせるタイプではないのに
あんなに必死だった自分が滑稽で哀れで可愛くもある

だから、この頃ふと思うのだ

お腹のこの子は、あの頃の私へのご褒美かもしれない

もっとただただ可愛い日々をただただ可愛がりたかった

全ての彼らの初めてをもっとちゃんと見たかった

話を聞いてあげたり、宿題の丸つけだってほんとはちゃんとやりたかった。

職場と保育園と家を全速力でダッシュしていた私にもう一度、神様がそのチャンスをくれたのかもしれないと。



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