現代社会における50個の認知バイアス(1/5)
みなさん、こんにちは。先日、Elon Muskさんのtwitterから私たちの中に存在する50個の認知バイアス(偏った考え方)に関する記事に出会いました。
この50個に挙げられているもののうち、多くは私がニューヨーク大学心理学部での学びを通じて習ったのですが、私たち人間は、自分が思っている以上に(無意識のうちに)偏った思考を持っています。これを正すことは簡単ではないのですが、少なくとも知っておくことはとても大切だと思います。そして、この記事では、その内容が簡潔にとてもよくまとまっています。
しかし、私の知る限り、この日本訳を見つけることができず、あまり日本の人たちに知られていないのではないかと思いました。そのため、これから5つの記事に分けて、毎回10個ずつ、上記記事に書かれている内容を訳すことで、私たちがどのように物事を考える傾向があるのかを紹介していきたいと思います。
1. Fundamental attribution error
私たちは、他人のことはその人の人格(パーソナリティ)に基づいて判断するが、自分のことは状況(シチュエーション)に基づいて判断する
例:サリーは授業に遅れた、なぜなら彼女はだらしないからだ。私はクラスに遅れた、なぜなら朝から色々と物事がうまくいかなかったからだ。
2. Self-Serving Bias
私たちは、私たちの失敗は状況のせいだが、成功は能力や努力のおかげだと考える
例:私は運がついていたからとか、助けがあったからではなく、一生懸命頑張ったから賞を受賞することができた。一方で、私は十分な睡眠をとることができなかったからテストで良い点を取ることができなかった。
3. In-Group Favoritism
私たちは、自分と同じグループに属する人を、グループ外の人よりも良く扱う
例:フランシスは私と同じ教会に属している。だから、私はフランシスがサリーよりも好きだ。
4. Bandwagon effect
アイデア、流行、信念は、より多くの人々がそれを採用する(信じる、実行する)ことによって成長する
例:サリーはハンドスピナーが彼女の子供の成長に良い影響を与えると信じている。フランシスも同様に信じている。
5. Groupthink
グループ内での衝突を最小限にし、グループでの協調を重んじるために、私たちはよく不合理な(首尾一貫していない)意思決定を行う
例:サリーはアイスクリームがほしい。フランシスはTシャツを買いたい。そんな中、あなたはアイスクリームの写真がプリントしてあるTシャツを買うことを提案する。
(この例は私の中ではあまりしっくりきていない)
6. Halo effect
もしあなたがある良い気質を持っている人を見たら、その良い印象がその人の他の気質に対しても伝播する(広がる)。逆も同じように、ある悪い気質はその人の他の気質に対する評価にも影響する。
例:テイラーはいつも優しい(事実) -> テイラーはとても可愛い(伝播)
テイラーはいつも意地悪 -> テイラーは可愛くない
7. Moral luck
良いモラルは、良い結果によってもたらされる。逆に悪いモラルは、悪い結果によってもたらされる。
例:カルチャーXがある戦争で勝った、なぜなら、彼らは敗者よりも良いモラルを持っていたからだ(モラル的に正しかったからだ)。
8. False consensus
私たちは実際よりたくさんの人が自分に賛成していると考える
例:"みんな"こう考えてる!
9. Curse of knowledge
一度何かを知ってしまうと、私たちは他の人もそれを知っていると想定して考える
例:アリスは教師だが、彼女の新しい生徒がどのように物事を考えているのかを理解するのに苦しんでいる
10. Spotlight effect
私たちは、人々が自分の行動や存在にどのくらい関心を抱いているかを過大評価する
例:サリーはみんなが彼女のアイスクリームTシャツのダサさに気づくことを心配している
最後に
ということで今日は最初の10個を紹介しました。このようなバイアスを学び始めると、私たちがいかに自分中心に、また結果中心に物事を解釈しているのかを気づかされます。
私自身、訳していく中で、あー確かに私はこれを無意識にやっているなーと思う項目がほとんどでした。このように自分がどのように考える傾向があるのかを知ることは非常に大切なことだと思うのですが、残念ながら今の義務教育ではなかなか教えてもらえないのですよね。
次回の記事では、次の10個の認知バイアスを紹介していきたいと思います。
今日は以上です。
追記:
(2021/12/28)
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