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ウェブ集客のボトルネックを見つけるコツ

皆川です。

Webサイトの診断をしていると「頑張って対策しているのに結果につながらない…」という相談を受けることがあります。

具体的には、時間や費用をかけて対策しているところは数値が上がってきているのに、なかなか思うような結果が出ないということです。

なぜそんなことが起きるのでしょうか。

それは「自分が思っている課題」と「本当の問題点」が一致していない可能性があるからです。さらにそののズレに気付かない状態でいると、間違った方向に無駄な努力を続けていくことにもなりかねません。

結果を出すためには「本当の問題点が何か」を認識し、改善していく必要があります。そうするとWebサイトはもっと楽に、効率良く運用できるようになるのです。

そこで今回は、Webサイトでの問題点の把握や改善ポイントを意識するためのアイデアをお伝えさせていただきます。

マーケティングファネルとは

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マーケティングに携わる人であれば「マーケティングファネル」という言葉を一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?

マーケティングファネルとは、見込み客が商品を認知してから購入・申込するまでの遷移を段階に分けて図式化したものです。ファネルは日本語で「漏斗」を意味し、図式化した消費者の購入フェーズが漏斗の形に似ていることからその名が付けられています。

Webサイトでの問題点を見つけるためには「ユーザーの動き」を知ることが重要です。そして、そのときに意識しておきたいのが、このマーケティングファネルです。

図のように消費者の意識が「購入・申込(アクション)」に近くなるにつれて、見込み客は少なくなっていきます。

ユーザーの動きをイメージしてみる

ユーザーが商品・サービスを「認知」してから、実際に「購入・申込」するまでには、いくつかのステップがあります。

ここからはHP経由でサービスに申し込みをしてもらいたい場合を想定し、マーケティングファネルに当てはめながらユーザーの動きをイメージしてみましょう。

1. 認知: HPを見つける
2. 興味・関心:問い合わせを行う
3. 比較・検討:見積りを取る
4. 購入・申込:商品の購入やサービスの申し込みを行う

まず商品やサービスを購入してもらうためには、ユーザーにあなたのHPを知ってもらう必要があります(認知)。認知に至る方法はSEOやSNS、広告経由やブログ記事を見たなど様々です。

次にユーザーはHPを見て良さそうだと感じたら、問い合わせをします(興味・関心)。もしこの時点で納得できれば、そのままサービスの申し込みをする方もいるでしょう。

実際に話を聞いて興味や関心を持ったとき、同じような商品やサービスと比べるために見積りを取ります(比較・検討)。そして見積りを比較・検討した見た結果、良さそうだと思ったらサービスの申し込みをします(購入・申込)。

このように、ユーザーが商品・サービスを認知してから、実際、購入・申込するまでにはいくつかの段階をクリアする必要があるのです。

問題点や改善ポイントは“遷移率”に着目しよう

ユーザーの行動にアプローチするためには、適切な「遷移率」で次のステップに移行できているかどうかを把握しておく必要があります。

遷移率とは次のページに移動したユーザーの割合のことです。

購入や申込、問い合わせに至るユーザーは、一般的にトップページやランディングページ(LP/広告のリンク先ページ)から購入や申込、問い合わせページに移動する流れになっています。遷移率が低い部分が分かれば、サイトの問題点を把握して改善につなげることができるので、Webサイトを運用する上で重要な指標となるのです。

また遷移率の低下にも影響しますが、もしユーザーの行動段階とアプローチにズレが生じた場合、商品・サービスの魅力が伝わらないだけでなく、そのタイミングで別の商品・サービスへ流れてしまう可能性があります。その場合は、マーケティングファネルの行動段階に応じてユーザーへのアプローチの仕方を変える必要があるでしょう。

遷移率の数値はマーケティングファネルと組み合わせることでユーザーに対して適切なアプローチができるので、着目しておくと購入行動へのスムーズな移行にも期待できます。

入り口は“認知=順位をあげること”

この考え方を、ウェブ運用に当てはめてみましょう。

例えばSEO対策をして上位表示されると「検索結果の1ページ目に出ている」「さらに上位表示されている」といったことだけに目を向けてしまいがちですが、それら目に見えやすいものだけを追いかけていては、最終目標である問い合わせや申し込みにつながりにくくなってしまうことも少なくありません。

とはいえ、いくらコンテンツの内容が良くても、ユーザーに見つけてもらえないのであれば、それは存在していないのと同じです。

検索順位が上がらなければ、どれだけ魅力的なコンテンツを作っても見つけてもらえません。商品やサービスを購入してもらうためにWebサイトを上位表示させることはもちろん、マーケティングファネルを活用したユーザーへのアプローチを行っていく必要があります。

ユーザーの反応が表れる“クリック率”

次に着目すべきなのは「クリック率(CTR)」です。

クリック率は、検索結果の表示順位によって異なる傾向があります。検索順位が高ければ高いほど、ユーザーの目にとまりやすくなるのでクリック率が高くなりやすいです。

検索順位ごとの平均クリック率とは、順位ごとに表した平均クリック率の指標です。例えば「1位に表示されていたらクリック率は○%」、「2位なら○%」のような感じですね。

自身のWebサイトのクリック率は、検索順位ごとの平均クリック率を基準にして高いか低いかを見て評価することができます。ここでも遷移率を見て、適正にクリックされていれば問題はありません。

検索順位別のクリック率はあくまで参考値でしかありませんが、その平均数値から大きくかけ離れて低い場合は何らかの原因があると考えられます。

とくに検索結果で上位表示されているにも関わらず、クリックされないのであれば、ユーザーにとって魅力的なタイトル付けがなされていない可能性があります。「見たい」と思わせてクリックにつながるようなタイトル付けは必須なので、当てはまる方はぜひ一度見直してみてください。

ただし何をもって「魅力的」だと思うかは人それぞれ違うので、迷ったときはユーザーを細かく分析してみることが必要になります。

SEO対策をする上で最も大切なのは、読み手であるユーザーを意識して作ったコンテンツに興味を持ってもらい「クリック」してもらうこと。クリックされてはじめて、商品やサービス購入への道が切り拓かれるのです。

全体を俯瞰して“ボトルネック”を見つけ出そう

先程「遷移率」について少し書きましたが、起点ページから次のページや問い合わせページに誘導されている数値もあるので、遷移率が適正かどうかは意識して見る必要があります。

ユーザーがサイトを訪問し最初のページを閲覧してくれたにも関わらず、次のページへの遷移や問い合わせにつながらず直帰率(ユーザーが閲覧を始めたページから他のページ)が高いのであれば、何か問題が生じている可能性が高いと言えます。その問題とは「情報の内容や文章構成」「読みにくさ」「そもそも検索ユーザーのニーズに合ってなかった」などです。

ページは見てもらえているはずなのに次のアクションにつながらないという場合は「ページ自体に問題がある」場合が圧倒的に多いです。原因はコンテンツの内容かもしれないし、デザイン・コピー面でのアピール不足かもしれません。状況に応じて原因は様々ですが、「ページの作りを見直す」必要があります。

またページは遷移しているのに問い合わせに至らない場合は「導線設計の不十分さ」が考えられます。サイトの導線設計が不十分だとユーザーは「どこを見ていいか分からない」「欲しい情報にたどり着けない」という状況になるので、滞在時間が短くなりページから離脱してしまうのです。

そしてユーザーから問い合わせがあったのに会ってもらえない場合は、その問い合わせに対するカウンタートークが的を外れ「ユーザーの疑問や懸念、不安を解消できていない」可能性が考えられます。

さらにセールスしているのに全く売れない場合は、トレーニングをして「営業力を強化」するなどの改善が必要なケースが多いです。

これらは部分的に見直して改善してもうまくいかないことが多いので、一度全体の流れを俯瞰して見てみることが大切になります。

その上でどこの部分に穴があるか、どこがボトルネックになっているのかを把握することが、Webサイトを効率良く改善していくために不可欠です。

SEOや広告で効果を高めたいときも

Webサイトの運営に限らず、SEO対策や広告、SNSなど運用をするのであれば、どこに問題点があるかを自分で理解してフィードバックできるようになっておかないと改善のしようがありません。

時間と費用と労力をかけて頑張ってやっていても、そこから問い合わせや購入、集客などにつながらなければせっかくの努力も無駄になってしまいます。

どうせやるなら精度を高め、効率良く効果を出したいはずなので、いち早く問題点を見つけてすぐ改善していく必要があります。そのためにも日頃から全体を俯瞰して、どこかに問題点はないかと探すようにしてみてください。そうすればリスティング広告やSNS広告でも効率良く運用できるようになるので、費用対効果も高くなってくるでしょう。

ちなみにSEO対策で上位表示されているからといって、必ず問い合わせにつながるわけではありません。最低限「ユーザーにページを見てもらえているか」「見た後にアクションにつながっているか」くらいは確認しておくようにしましょう。その上でページの内容を見直してブラッシュアップして更新していくと、あなたのWebサイトはどんどん良くなっていくはずです。

またSEO対策で上位表示されたページをユーザーに見てもらっても、ユーザーにとって役に立つコンテンツでなければページの評価は上がりません。なぜならユーザーがページに滞在する時間や他のページを見る時間が短くなるので、検索エンジンに良いページだと認識されないからです。

一見すると上位表示していて良いコンテンツのように見えていても「実はユーザーにとってそんなに役に立っていないコンテンツだ」と評価され、順位が下がる現象も起きているので気をつけるようにしてくださいね。

このように全体を俯瞰して見ることはWebサイトを運営する上で非常に大切なことなので、これを機に一度見直してみていただければと思います。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

頑張っているのになかなか結果が出ないと感じたら、一度全体を俯瞰して見てみるように意識してしましょう。きっと、ボトルネックが見えてくるはずです。

また問題点を見つけるのに大切なのは「ユーザーの立場になって“動線”を確認すること」です。そうすると見えにくかった問題点に気づくことができ、今後の改善につなげることができます。

もちろん遷移率やクリック率などの“数値”も重要です。数値にはユーザーの動きが反映されているので、Webサイトを運用する上で重要なヒントがつまっていることでしょう。

そして最後にひとつ、あなたが結果を出すためのヒントをお伝えさせていただきます。

HP全体を改善する前に、まず一度「購入・契約・申込・問い合わせ」に近い部分を改善してみてください。これらはインパクトが大きい部分なので、そこを改善するだけでも効率が良くなることを実感してもらえるはずです。

では。


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