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【講演会の感想】木+化学+アーユルヴェーダ

先日、京都の山城eco木材供給協議会設立10周年記念式典にお邪魔した。
この山城eco木は京都の木材使用推進を植栽から製材、加工、販売とすべての流れに携わる業者が賛同している。

何を隠そう、その加盟社に私の父が設立した会社も入っている。

父はよく言う
「これからの木材は衰退していく」と。

私はいつも、「ホンマかい」を胸に潜め、なんという返事が正解か分からないまま頷くことしかできなかった。

しかしこの式典で会長のお話もさることながら、私はこれからの木材は父が思う衰退の道筋にたどっているどころか希望しかないと感じた。

自然豊かな日本。

日本の67%が森林という恵まれた環境。
さらに島国でもあり海に囲まれている。

これは世界幸福度ランキング1位のスウェーデンとほぼ同じ森林率!


必ず何かがあるはず。
そんな想いがウズウズとひしめく最中

記念講演が開演。

講演は、京都大学化学研究所の中村正治教授
演題は、「化学が結ぶうみやまあひだ」

んん〜
ひらがなの繋がりがなんてよむのかわからない。

そんなことを考えていると
聞きやすい声量と話し方で講演は進んでいた


理解できる言葉と
まるでどこかの国の言葉に聞こえる言葉が入り混ざり
分かるようで分からない

頷くものの引っかかる言葉で脳内がストップしその間にも話は進んでいく

そんな脳みそフル活動!な1時間だった。


ちなみに講演の大まかな内容は
「木材を使用する際に出てしまう不要な部分を使用して航空燃料やプラスチック容器を化学の力で作り出していく研究が進められている」
ということ。

実際に、テレビ番組でも「木から作るプラスチック」という回で紹介されたのだそう

1年で自然分解されるなんてすごい!

あとは、車を作ったり将来的に強度を上げることが可能になれば住宅建材を作ることも可能だそう。


そんな内容の中で
自分が理解し、感じたことを綴ろうと思う。
特にアーユルヴェーダを深めている今の自分にとって物凄く共通することが多かったのでその点でも繋げていきたい。



世の中の全ては化学の結合でできている

〈講演の内容〉

教授は何度も繰り返しこの言葉を唱えていた。
きっと教授が見る世界は全て化学の結合に見えているのだろう。

”木を細かく分解していくと現れる物質があり、それを結合させる物質と混ぜ合わすことで石油や石炭といった化石資源に変わる資源が生み出される。”

(その【物質】の名前を完全に忘れた。)

〈アーユルヴェーダ的にみた私の感想〉

私たち人間は60兆個の細胞の塊でできている。
これは人間だけでなく動物や植物、すべての生き物に数は違えど共通すること

それらを元素に置き換えると、人間の場合「酸素65.0%、炭素18.0%、水素10.0%、窒素3.0%、カルシウム1.5%、リン1.0%、硫黄0.25%、カリウム0.2%、ナトリウム0.15%、塩素0.15%、マグネシウム0.05%」となるらしい。

ここまでの詳しい元素内容はアーユルヴェーダでは出てこないが、量子力学は既に当たり前のように取り入れられていた。
アーユルヴェーダって4000年の歴史があるのに、なんで4000年前の賢者は量子力学を理解できてたんだ。。。。

そういう観点から化学を日々研究している人、新しく生み出す人たちの思考を垣間見れ、更にそういうことね。と納得することができた。

全てを化学の目線で観察する世界。

共通して、地球ができたプロセス(ビックバーン)もアーユルヴェーダと全く同じでそこから始まっているのかと原点に還った。



地産地消の取り組み

〈講演の内容〉

演題でもある「うみやまあひだ」とは・・・
「海・山・間」という意味で、それは海と山の間にあるもの。
つまり川や農地を含み、その間に住む我ら人間という意味も込められているそう。

また、大まかな内容でも記載した「航空燃料」について教授は
空港は大体街から離れた場所にあることが多い。
その近くの森から燃料を作ることが可能になれば輸送費も大きく削減でき環境にも優しい。

そうなったら燃油料もお安くなったら尚嬉しい(いち消費者の意見)


また現実、プラスチックの元となっている石油は年々値上がり傾向にある。
プラスチックは石油全体の25%(だったと思う!)からでしか作り出すことができず、量も日本ではままならないため、その原料だけを輸入している状態らしい。
輸入までして、自然分解に数十年もかかる製品を作り続けているなんて。
なんだか違和感を感じざるおえない。

〈アーユルヴェーダ的にみた私の感想〉

この地産地消は、季節時間環境・さらに食についても深い関係性がある。

アーユルヴェーダはインドの伝統医学。なので季節や食事について記述は当然ながらインドが基軸となっている。
ただ日本はそこまで乾燥している地域でもないし、それは日本の中でも時期により変化していく。
アーユルヴェーダで薬として重宝されていたお米も日本とインドのお米を比較しても炊く時の水分量は違ってくる。

また地産地消の食べ物は新鮮でエネルギーを私たちに与えてくれるし、先ほどの化学的な観点からいくと同じ地域で充満している同じ質のエネルギーを持っているので吸収しやすい。

食べ物は収穫してから腐敗が進み乾燥していく。
乾燥はヴァータ(風)のエネルギーを強くさせてしまう。
また、その食べ物が一番最適な瞬間に収穫できず栄養を十分に吸収しきれない。

社会的に見れば、同じ地域(海外でなく日本国内でも)から購入することで経済的にも潤う手助けになるという考えもある。

そういった点から、自然豊かな日本で燃料に頼らず生活していくことは不可能ではなく、なんならいいことだらけなんじゃないかとさえ思う。



まとめ

化学研究という言葉を聞くだけで、勝手に「地球環境を滅ぼし人間に悪影響な化学物質を開発しているのだろう」と思っていたが(すいません)こんなにもサスティナブルで地球のことを考えている分野があったこと。そしてその人たちの思考を垣間見れたことが嬉しかった。

化学の力でより良い社会を作り出すために生み出された、人間重視の開発に立ち向かうには、同じ化学の力で地球環境を守る開発が一番の近道だと今回感じた。

私には理解不能なジャンルだけど、アーユルヴェーダの知識と重ね合わす事で化学アレルギーだった私も少しは寄り添えることができた。


ん〜やっぱり日本の木材は衰退なんてしてかないと思うんだな。
原点に帰れば帰るほど、木の大切さは実感していく気がしてならない。

それは神社の境内に入ると木々が神社を守り、私たちに輝かしく新鮮なエネルギーをいただける感覚が日本人の奥深くに刻まれているように。

いつかその答えが言語化できた時、父に伝えたいと今はひっそりと考えている。


京都大学の中村教授はじめ
今回巡り会えたこの機会に感謝です。

ありがとうございました*

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