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ちゃーぽんの壮絶な半生【我が家に来るまで-4】

そんなこんなで恋を経験もしたちゃーぽんに史上最悪の日々が訪れる


今から5年前のこと
ちゃーぽんに彼氏ができたりなんかしている間あたしは海外に行ってたり
海外から帰ってからは実家に戻り生活をはじめ
当時建築関係の事務員をしていた

ある日施主のお寺の壁から猫の鳴き声がするとの電話を受けた

部長にそのことを伝え電話を取り次ぐ

電話を切ってから営業の人に向かってほしいと言い
猫はどうするんだ。なんて話をしていた


部長は動物に愛情はない人だった

「そこらへんに捨てておけば?」なんていう人間だった


思わず「引き取り手がなかったらあたしが引き取ってもいいですか?」
と言った


「優しいな〜」なんて人ごとのように言う部長が嫌いだった


しばらくして作業員のおっちゃんが
「はい、どうぞ」
と紙袋をあたしに渡す


生まれたての2匹の猫が入っていた


久々の子猫

「可愛い〜♡」なんていう自分を想像してたけど
紙袋を開けた瞬間臭くて思わず顔が歪んだ


定時ちょうどにやってきた子猫


「さぁ生きるよ!」と
世界一似合わなくて嫌いだったダサい事務の制服を着たまま
近くの動物病院に向かった


それが黒猫の男の子「おはぎ」と三毛猫の女の子「しらたま」である

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生後2週間の彼らをちゃーぽんは少し嫌な予感がしていたのか
ちらりと様子を確認しては走って逃げた


彼らはノビノビと成長した

犬のきなことも仲良くやってた


でもいつの間にかちゃーぽんとの相性が悪くなっていた


ちゃーぽんは相変わらず外に出ていて
新入りの彼らも徐々に外に出るようになった

特に女の子のしらたまは積極的に外に出かけた


ある日衝撃的な様子を目の当たりにする


しらたまがちゃーぽんを追いかけて家から追い出していた


韓国アイドルグループビッグバーンのテソンそっくりなおはぎも
普段はめちゃくちゃみんなに優しいのに
その時だけはしらたまに援護するようにちゃーぽんを追いかけた

衝撃だった


そこからちゃーぽんは全然帰ってこなくなった

2、3日に1回帰ってきて
急いでご飯を食べてまた外に出る生活

ご飯を食べている時も
人間の足音がするだけで逃げるし

彼女はやせ細っていった


どうすることもできないまま時は経つ


彼女のこの時期は本当に辛くて苦しくて忘れたいトラウマだろう


続く・・・