見出し画像

詩「地下鉄大住之江駅F通路18番改札へ」


辛さのあるラーメンを啜ってきみが言った
「これを食べながら考える人生の辛さとはなんだろう」
ぼくは ラー油を30秒ほど垂らし続けていた
(きみがそれを踏まえて言葉を発したのかはわからない)
互いが囲むテーブルの外側に囲むテーブルに
筋肉質な男たち 女たちがずらりとならぶ
「麻婆豆腐と青椒肉絲が一緒にやってきたみたいだ」
ぼくはきみのジョークらしきものに反応せず
ラー油を計1分50秒ほど垂らし続けていた
て っててってってーつーつーつーーつーつつ

星空の直下にある街だ
舌には舌下 や 絶佳
和装の軽自動車が行き交う中で
ぼくらはぜひ 会話を続けよう

光った
「星だと思ったかい」
ぼくは 半目で空を見ていたので 
星だとも また ランタンのひかりだとも思わなかった
「死化粧の女子高生が地下鉄の風に吹かれることはどうにも健康的には思えない」
蛍光灯 LED
種々の光の混ざり合いは
手に取るようには判別できず
からっ からっ 風
瞳は混乱していた

屋台 屋台屋台高級通路
高級人間 高級人間高級人間高級人間
横目横目 横目横目横目
絶滅した狼を召喚した

「どうしてアルコールと一緒に人類は気化しないのだろうか」
「それは神の要求で?」
「あるいは海の要求で」
「気化する者 涙する者でもう海月たちも手一杯さ」
「それにぼくがここで終止符を打つ。」

きみを見たものは その後
ただひとりであったようだ
何もなかった
霰に打たれて大住之江駅と人々が消えた














今まで書いた詩ですぞ。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?