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詩「ぼくはきおく」

木の海を眺めている
はるか昔からあるのだろう

いつからその塊のような塊は
液状 あるいは霧状だと
判断よりも早く
思わ
れるようになったのだろうか
昼行の急行列車に
線形の煮詰めた感情を乗せ

なんだっていうんだろう
こっちは 毎晩の騒ぎで
まだ頭がいたいというのに
ここは多分 高畠のあたり

転がせるほどに軽くはなく
かと言って持ち運びできないほど重くなく
もうひとつ重ねてかけられる
あやふやな絹の繊維たちがぼくの友

雨にトレイン揺れていく
ぼくには今しかない
みられている、ということしかない
ぼくはぼくだけではありえない

降り積もりかけては流れゆくのに
よりどころはぼくしかないのだ
森深くに進んでいく
森の奥、多くの木の奥
ぼくのはきっと誤字です
ぼくの名は木奥


















当て字一発芸。


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