聞くことって難しい
聞く=目の前にいる人に寄り添う
簡単なようでとても難しい。みなさんは普段、話し役ですか、聞き役ですか?
私は聞き役に回ることが多くて、とくに大人数だと話すことはためらってしまいます。
そんな自分にコンプレックスがあったときもあって、相手を楽しませるような話をしたいなぁとか、自分だったらここでどんな風に話すだろうとか、相手が話している際にも考えていました。
もちろんそんな状態では、話を聞いた気になっただけで、実際に覚えていることは少なくて、別れた後にどっと疲れると言う経験を何度もしたことがあります。
でも、ある本との出会いで聞くことに対しての考え方が180度変わりました。
「黙って聞く、という行為は、その人のことを決して否定せずに受け止める、ということなの。お年寄りになると話がくどくなったり、同じことを繰り返してしまったりするでしょう。話したくても、うとまれてしまうのね。何も求めているわけじゃない、ただ話したいだけなのにね」
お話の中でリスニングボランティアを10年間続けている女性の方は、このボランティアを始める前、仕事で忙しく、お母さまと生前あまり話ができなかったそうです。そのお母さまが涙でボロボロになった娘の写真と共に残した遺言が
生まれ変わってもまたあなたのお母さんになりたい 今度はいっぱいお話をしましょうね
じんとくる言葉でした。
私は今、実家暮らしなのですが、父や母と一緒に暮らせるのも後残り少ないんだなと思うのと同時に、どんなたわいのないことでもいいからたくさん話を聞きたいと思えたのです。
大切なことは、いつもそばにある。
今両親との時間がどれほど貴重であり、この時間を一生懸命に過ごしたいなと思うのでした。
引用は、原田マハさん著「本日は、お日柄もよく」です。比嘉愛美さん主演のドラマにもなっていたみたいですね。ぜひご一読ください。
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