心配性は百まで。

幼い頃から心配性だった。
旅行に行くとなれば持っていくものリストを作り、必要だと思われるものをずらっと並べたあとにひとつひとつチェックをしながらリュックに荷物を詰め込んだ。
飛行機に乗れば安全のしおりに隅から隅まで目を通し、救命胴衣の場所、非常口の場所を繰り返し確認した。
南の水族館に行けばその地方の海にいる危ない魚ともし刺されたりしたときの対処法を読みきるまでその場を動かなかった。

今思えば子供の分際で有事が起きたところで対応できたとも思えないが、当時は自分や一緒にいる家族を守るため精一杯やっていたのだと思う。我ながら可愛らしいとさえ感じる

そんな可愛らしかった子供時代はあっという間に過ぎ去り、可愛らしい子供を連れて歩いていてもおかしくない年齢になった。

そんな私は大人になった今も変わらず心配性。
チェックリストは作らなくなったが旅行の荷物は一旦並べて確認しないと気がすまないし危ない生き物のYouTubeを見るのが好きだ。

私は今数年ぶりの飛行機に乗っている。登場してすぐ何の気なしに手に取ったのは安全のしおり。

三つ子の魂百まで、とはよく言ったものだ。

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