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多様性の見える化、「心理的安全性」のある職場を作る側に立つまでにできること

新入社員の頃、「自分が9割正しいと思わない限り会議で発言するな」と教わった。当時は息苦しく思ったが、今考えると職場が安全ではないので、会社生活で無駄な怪我をしないための処世術、成功するために必要なアドバイスだったのだと思う。その証拠に上司は私に仕事を教え、機会を与え、ポジションを引き上げてくれ、海外駐在のチャンスを掴むまでに成長することができた。とても感謝している。さて、30年経った今、私なら新入社員に何とアドバイスするか?

今の時代、リーダーには自組織に「心理的安全性」を確保し自由に発言できる雰囲気を醸成することが求められる。グーグル社のチーム対象に数年かけて行われた研究により、チームパフォーマンスに一番影響のある要因のダントツ一番は「心理的安全性」であることがわかったという話は有名だ。上司として、自組織の「心理的安全性」を確保することはパフォーマンスを最大化する上で大切だ。一方、新入社員は必ず「心理的安全性」がないと感じる外部の組織と折衝したり会議をしたりする機会がある。そんな時、中管理職の自分は、部下に何とアドバイスするか?「理想的には自由な発言をエンカレッジしたいんだけど、現実は理想とは違う。エネルギーを注ぐ必要のないところは目を瞑ってやり過ごし、どうしてもという時だけ発言する方がいい」となりがちだ。処世術を教えるのは、現状肯定かつ短期的視点だから、30年前の私の上司のアドバイスと変わらないのだ。

世の中のトレンドを学ぶ気も変わる気もない、いまいちな上司や組織の下にずっといるのは面白くない。リーダーになるスキルを磨いて、「心理的安全性」のある職場を作る側(=リーダー側)に立って、自分の環境を作っていくことができるといい。そうは言っても、就職してすぐにリーダーになれないので、経験やスキルを得るため、期間限定で長い物には巻かれて働くのも選択肢としてはありだと思う。その間は、上司のアドバイスに従い行動し、オープンに貪欲に学ぶしかない。上司や組織がいまいちだと脳が思い込んでいるだけかもしれない、と疑ってみることも大切だ。また、ゾンビとりがゾンビにならないよう、自分が何を目的にここにいるのかを忘れないようにする。そして、ここまでなら我慢できるけどこれ以上は我慢しない範囲、バウンダリーを持つようにする。

言い方は気をつける必要があるが、勇気を出して自由に発言してみることもやってみたらいい。100%の確率で衝突や不快に思うことが起こるけど、生きていれば、多かれ少なかれそういうことは避けられないので、免疫力を上げるのは悪くない。本質的に、組織で「心理的安全性」を確保する目的は、社員が不快な気持ちにならないためではなく、健全で活発な議論ができる環境を整え、全員の最高の知恵を引き出し、リーダーがその中からベストな決断をできるようにするためなのだ。

「心理的安全性」のある職場を作る側に立つまでにできること三つ。期間限定で長い物に巻かれてみる、不快なことに遭遇する前提で自由に発言する、リーダーになり「心理的安全性」のある職場を作る側にまわることを目指す。応援しています!



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