Mi-ya

田舎育ち、東京暮らしの20代会社員。日々浮かぶよしなしことを徒然なるままに書きつくるこ…

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田舎育ち、東京暮らしの20代会社員。日々浮かぶよしなしことを徒然なるままに書きつくることが好きです。

最近の記事

思想犯

 考えることは最高の贅沢だ、と思う。頭の中では何を考えても許される。  あの子可愛い。抱きたい。あの人お金持ってそう。1億くらいくれないかな。あの人は車内で電話してて煩いから、箪笥の角に小指ぶつけてしまえばいい。  電車の中で、周りの人を見ながら考える。そんな私も、他の人から見ればただの「周りの人」で、やっぱり同じように「ガム踏んじゃえばいい」とか思われているのだろうな。  お金も仕事も、大してない。むしろお金に至っては、びっくりするほど控えめ。夢も希望も、何もない。なの

    • 「頭の良い人」の定義

      昔、友人と話していて、 「頭の良い人は、難しいことを子どもにも分かりやすく説明できる」 という話題になったことがあった。 この考えは、社会人になった今でも、というより、社会人となってから余計に、身に染みることがある。 他人に伝えるのは難しい。まして、分からない人に分かるように説明するのは、難しい。 別の言語を話しているようなもので、共通言語がないようなものだから。 いま、新しい職場に移動して2ヶ月。さっぱり分からない。分からないのに、がむしゃらに目の前に来た仕事をこなし

      • 時間泥棒

        どうしても嫌いな時間がある。 それは、エレベーターがボタンを押してもなかなか来ない時。外出先でトイレに向かうと、長蛇の列が出来ている時。 こういった「待つ」という時間がやたらと嫌いなのだ。 だから、頭ではもう少し待てば来るうえ体力的にも明らかに楽だ、と分かっていても、ざっと踵を返し、エスカレーターに飛び乗ってしまう。空いているトイレを目指して、デパートの上階へとどんどん上がっていってしまう。 結果、余計に時間がかかることだって往々にしてあるけれど、止められない。我慢ならな

        • 髪を切ること

          髪を切ることは、意外と好きだ。 そんな洒落た人気のある店に行くほどの拘りはないし、髪型だって至ってシンプルなショートヘアだけれども。 美容室に行く。席に座る。目の前に出された雑誌で、自身の印象を計るのも面白い。普段はほとんど読まない雑誌というものに久しぶりに目を通すと、いつの間にか凝り固まっていた自身のファッションや暮らしに、ふうっと風穴が開いた気がする。 シャンプーをしてもらう。席を立つ時に、床一面に広がった真っ黒な絨毯にびっくりする。毛量の多い血筋で、よくもまあこれだ

        思想犯

          ミントの葉

           暖かくなったので、ミントを育て始めた。  母からもらった苗と、ネットショッピングで買った種を育てている。  初めての栽培。まだ数日しか共に過ごしていないが、植物の強さには驚かされる。室内に置いておくと、窓の方へひょろひょろと茎を伸ばしていく。少しの水しかないのに、頼りないながらも着実に背を伸ばす様子に、健気と言うより少し不気味な心地がしたのは、私の生きる力が弱まっているからだろうか。  考えてみれば、自然界とはかくも厳しいものなのだろう。育たねば、死ぬ。彼らの懸命な成長

          ミントの葉