冬の風

ふたりで歩いた 最後の浜辺
冷たい風が 君の声を掻き消した

あのとき 君は たしかに
「もう会えないね」と言った

まるで 何かが
ふたりの仲を引き裂くみたいに

ほんとに あれが
別れの言葉だったのだろうか

聞こえないまま 荒れた海に
消えていった「サヨナラ」があったのなら
君の声で 記憶に残したい

伝えられないまま あのときに
隠してしまった「アイシテル」が言えるのなら
今すぐ 君に会いたい

ふたりを引き裂いた冬の風
君への想いを断ち切れずに
今年も ここに来た

もう会えないのだろうか

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