晴れた日に…

冬の訪れを教える 黄昏の並木道を通って
季節外れの海へ向かう

舗道の敷石が色を変えると
なだらかな坂道になる

手をつないでいれば 冷たい風も平気
ひとけのない砂浜に降りても ずっと手をつないで歩く

途中にある大きな岩の上に腰をおろすときは
手を離す
君を抱き寄せるために

君は僕の肩にもたれかかる
僕は 君の髪を触るのが大好き

太陽が夕陽という名にかわり
水平線の向こうに沈んでいくのを見るのが
ふたりは 大好き

すべてを見通す眼が消えて 夜空が彩られる前に Kiss
天から降る視線を気にして 軽く触れるだけ

夜の闇のなかでも
月のあかりが
来るときについたはずの足跡を
浮かび上がらせる

ゆっくりと流れる時間
大好きなひとと
大好きな景色のなかで
大好きな時間が流れる

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