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"夜に駆ける/YOASOBI"の歌詞を考察してみた

まずタイトルについて。
「夜に駆ける」の「夜」は「死」を表している。
夜は時間が経てばいずれ訪れる。
死も同様。人間だからいずれ月日が経てば死は訪れるけど、「駆け出してく」=「死期を早める」ということで「夜に駆ける」=「自殺」。

サビ

この曲に出てくる女の子は
「忘れてしまいたくて閉じ込めた日々」、
つまり何らかのトラウマ的経験が原因で鬱になり「笑えない君」になってしまった。
夜に駆けるのモチーフとなった小説のタイトルは「タナトスの誘惑」というらしい。
タナトスは死の欲動という意味から、希死念慮を抱えた抑うつ状態であることが察せる。

2番歌い出し

この曲の女の子は死を見つめていて、男の子は生を見つめている。
「君にしか見えない何か」というのは死のこと。
男の子は女の子に心を奪われ、一緒に生きること、死から生へ視線を向けてくれることを願うので、生に背中を向けている状態を「嫌いだ」と言った。

ラスト前

男の子は
"生に視線を向けることであなたが死を見つめる日々を終わらせよう"
という意味で「終わりにしたい」と言ったが、

女の子の中では
「(命を絶つことで私が死を見つめる日々も、あなたがそんな私を見て悲しむのも)終わりにしたい」
という意味だったと私は考察する。

ラスト

ここで言う「騒がしい日々」というのは男の子の心の中のどよめきのことだろうか。
「変わらない日々」というのは恐らく女の子の寂しい表情も、死にたいという気持ちも変わらない日々のことを指す。
それが悲しくて男の子は泣いていた。
男の子にとって「忘れてしまいたくて閉じ込めた日々」というのは女の子を救いたくても救えなかった日々のこと。

女の子はずっと寂しい表情をしていたが、「終わりにしたい」と言ったことで初めて笑った姿を見せた。

「明けない夜に零れた涙も
君の笑顔に溶けていく」
笑ってくれたその姿が男の子の眼にはとても綺麗に映った。
生に視線を向けて欲しいと想っていたものの、ようやく笑ってくれた女の子の姿を目にしたことでそのような自分の想いなどどうでもよくなってしまったのだ。
「染み付いた霧が晴れる」という歌詞のニュアンスもこれではないだろうか。
生に視線を向ける意味もなくなって、最終的に2人で命を絶ったのだ、と私はこの曲を解釈した。

【終】

最後に全歌詞を貼っておきます。
これを読んでる方で別の解釈があれば是非コメントしてください。

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