緊急事態宣言下でも「はんこを押しに出社」…どうしたらいい?
こんにちは。
フローレンスで法務部門を担当しています、山口といいます。
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はじめに
この記事の作成にあたっては
電子契約システム「クラウドサイン」を提供されている
弁護士ドットコム株式会社
より情報提供をいただきました。
フローレンスでも大変お世話になっております。この度は誠にありがとうございました!
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「命を守る行動をしたい、でもできない」
7都県に緊急事態宣言が発出されて6日が過ぎましたね。
多くの企業がテレワークへの移行が必要になり、様々な業務の整理や仕組み化によって(ゼーゼー言いながらも)在宅勤務を始めている人や企業が増えてきています。
この感染拡大の重大な局面において「自分と家族、大切な人の命を守る行動をしたい」と思う時、在宅勤務が選択できることは大変重要なことだと思います。
でも、それができない人がまだいることも事実です。
テレワークができない業種の人もいると思いますが、そうではない業種の人でも「出社しなければいけない」という人がいます。
それは「ハンコを押しに会社に行かなきゃいけない」人です。
そういう人がいるのです。
こんなニュースも出ていました。
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「はんこを押さなきゃいけない」のほんとうの意味
そもそも「はんこを押さなきゃいけない」というのは、どういう意味なのでしょうか。
実は「はんこを押してある」ことそのものの意味は
ありません。
ただ、押されているはんこについて、「そのはんこの持ち主が自分であること」を国に保証してもらうことはできます。
「国が保証する身分」とは、すなわち「印鑑登録」のことです。
Wikipediaによると、印鑑登録とは「印鑑(登録された印章)により個人及び法人を証明する(本人が当該印章を相違なく所有すると証明する)制度」ということだそうで、
「このはんこを持っている人(会社)は●●です」
ということを、国がお墨付きをしてくれる仕組みです。
だから、はんこを押す意味を無理やり見出すとするなら、
「このはんこを押せるのは、このはんこの持ち主(印鑑登録されている所有者)だけだから、はんこを押せるということは、契約したのは本人であると言える」というお墨付きだけです。
ここで勘違いしてはいけないのは、
契約の成立とはんこの有無は、関係ない
ということなんです。
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契約の成立にはんこはいらない
今利用が進んでいる電子契約の提供会社のHPを見ると、契約の成立に印鑑の有無は関係なく、法的効力に影響しないことが示されています。
契約締結の方式は、書面でなくとも、口頭、Eメールのような方式の他、クラウド上で契約締結することも認められています(契約方式の自由)。契約方式の自由は、日本の私法(民法など)の原則である契約自由の原則の一つとして認められています。
(↓HP クラウド契約の原則:契約方式の自由 より)
※ちなみに電子契約には、契約書に貼る必要のある「印紙」が不要になるという節税のメリットもあります。
印紙税は紙で契約締結した場合にのみ発生するものであり、電子契約で締結した場合には、印紙税は発生しません(印紙税法および印紙税法基本通達)。
国税庁のウェブサイトでも「電磁的記録」により契約締結した場合には印紙税が発生しない旨が明確にされています。
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手で押した印鑑 vs 印影のJPGファイル
「契約にはんこが不要なのはわかった。でも、取引先からどうしてもはんこがいると言われている。じゃあ、印影を画像ファイルにして貼り付ければいいんじゃないか?」
こんな疑問を感じる人もいると思います。
で、調べました。
…が、その違いを明確に示すものはありませんでした。
(余談)
はんこをリアルに押したほうが良い、と主張されているポイントとしてあげられていたのは、たとえばこんなのです。
・やはり、目の前できちんと押すのが印鑑のマナー(マナーかい!)
・法的効力には違いがなくとも、やはり電子印鑑より普通の印鑑のほうが効力は大きい(どういう意味?)
・電子印では誰が押したのかわかりにくい(リアルに押したら誰が押したかわかるの?)
・はんこは代理者が押すことができるというメリットがある(いやそれメリットなの…)
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今すぐ「押印のための出社」をなくす方法
ここまで「はんこを押す意味はない」と繰り返してきましたが、実際には「いやあ、それはわかるんですけど、やっぱり念の為ちゃんとはんこを押してもらえませんかね?」という声も聞こえてきそうですよね。
日本におけるはんこ文化というのは、長い時間をかけて根付いたものでもありますし、簡単に「意味はないから今すぐ全部廃止します!」とはできないものだと思います。
ですが、少なくとも今の契約文書の内何割かは、以下のお願いを取引先にしてみることで、はんこをなくすことができるはずです。
今日からできることなので、ぜひトライしてみてください!
※ちなみに、前述の「クラウドサイン」の導入には、取引先が必要な手続きはありませんので、すぐに始めることができます。
1 「電子契約でいいですか?」と聞いてみよう
2 「印影が書面に写っている文書でいいですか?」と聞いてみよう
3 「一旦印鑑のないものを送るので、先に手続きを進めてもらって、あとから印鑑付きのを提出、でもいいですか?」と聞いてみよう
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グレーゾーン解消制度を使ってみよう
実は、一番はんこを省略できないで苦しむのは「行政関連の手続き」です。
ここはやはりハードルがなかなか高いので、直ちになくすというのは難しいのですが、時間はかかるものの「今の法律の解釈で本当にはんこが必要なのか、グレーゾーンの解釈を確認する」という仕組みがあります。
グレーゾーン解消制度と呼ばれるこの仕組によって、これまで電子契約が活用できなかった場面でも活用が可能になった例もあります。
こちらも一度参考にしてみてください。
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おわりに
フローレンスでもこのクラウドサインを4月に本導入してから、契約の大半は電子契約に移行していっています。
正直、これがなかったら緊急事態宣言下でどうやって契約管理していけたのか?と思うと、ちょっとぞっとします。
みなさんもこの機会に、ぜひ「電子契約」を!はんこにさよなら!