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ひと色展【短文】*夢を見た*

マッチ売りの少女になった夢をみた

浮浪児のようなボサボサの髪のわたしは

凍えながらマッチを売っていたが誰も買ってくれなかった

わたしはとうとう空腹で倒れてしまった

倒れた私の上に雪が積もっていく

寒い…お腹すいた…もうだめ…マッチをする力もない…

そのとき一人の人形師が通りかかり、雪に埋もれかけたわたしに気がつくと

ポケットからパンを取り出してわたしに手渡した

わたしは倒れたままそのパンを食べる。なぜかアンパンだ。

ここはヨーロッパではないのだろうか…まあいいや、甘くておいしい…おなかがカアッと熱くなり力がわいてくる…

むさぼるようにあっというまに食べ終えたわたしは

さっと起き上がると、走って逃げた。

なぜ逃げたのか分からない。なにしろ夢の中なのだから。

でもすぐにまた雪の中に倒れこんで意識を失った

次に意識が戻ったとき、わたしは人形になっていた

逃げたのは正しかったのだ…でもアンパンを食べる前に逃げなくてはいけなかったのだ…

そう思いながら目覚めた私は無性にアンパンが食べたかった。


👇微妙な続きです♫


*イシノアサミさんのひと色展コラボに参加させていただきました。イシノアサミさん、ありがとうございます。
*イエローオーカーから生まれた小品です。



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