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読書感想文 自由研究には向かない殺人

高校生の少女が自由研究の課題として自分の住む町で起きた失踪事件を調べている。失踪したのは17歳の少女で、その少女の交際相手が彼女を殺して自殺をしたとされていた。
自由研究の課題として取り上げたのは、少女の交際相手を知っていて人を殺すような【悪い人】だと主人公には思えなかったから。主人公は自殺したとされた交際相手の弟とコンタクトを取ると、兄の無罪を信じていた彼も捜査に加わった。

関係者の聞き込みから捜査を始めると、辻褄の合わない事が出てきて主人公はより真実を見つけることにのめりこんでいく。そんな中、事件を掘り返すことをやめさせようとする脅迫文が届いたり、失踪した少女の隠されていた一面を知ったり、当時捜査に関わった警官の秘密を暴いたり、と主人公は誰を疑い、何を信じたらいいか分からなくなっていった。

物語の中で主人公が人を【善い人】と【悪い人】に、二分しているのが印象に残った。他人の秘密に触れ、親友の姉に秘密を暴露させ、隠された交友関係を知ることになった主人公が、最後まで【善い人】と【悪い人】のイメージに翻弄され、主人公自身も家族や親友家族も傷つくことになる。それも自分が真実を暴いたせいで。でも真実を暴くまでに至った突き抜けた正義感と度胸がダークヒーローのようでありながら、ずっと彼女自身の信じる善い人で在ったと思う。


2作目、3作目も読んだ。
前作では明かされていない人間関係や解き明かされない失踪した少女のメモなど、3作目まで通じている事象が多くあって読み進めるほど面白い。ネットフリックスでドラマ化されてた。話も分かりやすくていい、キャストも素敵、続編もドラマ化してほしい。



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