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編集作業で意識している「3つの目」

「編集をする際に、意識していることは何ですか?」と訊かれた。

私は普段、専門系のメディアで、編集やライティング、取材に携わっている。日常的に目にする文章は、堅めで長い。たまにSNSの中の人として、やわらかい配信をすることもある。

どちらの文章でも意識しているのは、

①自分の目(例:編集者)
②書き手の目(例:専門家、ライター)
③読み手の目(例:記事を届けたい相手)

3つの目を使い分けながら編集することだ。

いらすとやで「三つ目」と調べたら、軍荼利明王のイラストが出てきた)

たとえば、以下のように、①自分→②書き手→③読み手の目をぐるぐる使い分けるイメージ。

1. ①編集の目で見て、文章の前後が繋がらないような違和感がある。
2. ②書き手の観点からすると、③読み手を意識してあえて記述を省いたのかも?
3. ③読み手は、②書き手の意図を認識できずに誤読しそう。
4. ①私の言葉で補う提案(前後のつながりを追加、専門知識の前提の追加)をしよう。
5. ①目線の追加提案は、②書き手からしたら、説明をシンプルにするために割愛した箇所かもしれないけれど、補っても違和感はないだろう。③の観点だと前後の文が繋がって、突っかかりなく読めるだろう。

このように、3つの目で積極的に提案をすると、書き手の壁打ち相手になりながら、コンテンツをブラッシュアップできる。

個人的に気をつけているのは、①編集者としての提案とその根拠だけでなく、「②書き手として、ここが良かった」「③読み手として、この部分が素敵だった」という感想も一緒に伝えること。提案をする際は、こちらの勇気も要るけれど、書き手へ衝撃を与えてしまう。だから、自分の「好き」を言葉にできたら、お互いハッピーだよね。

あたたかいスープと冷奴でととのいたいです。