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広告はラブレター。広島県観光連盟の広告が気づかせてくれたこと。
広島県観光連盟の駅広告。
広島出身ではないけど、思わず涙が出た。
今年の年末年始、帰省したいと思っていた。
年の瀬くらい、家族に会いたい。
あったかい実家で、みんなで年越し特番でも見て、
そばやおせちを食べて、箱根駅伝を見て。
NiziUが大好きな姪っ子と、おうちでカラオケもいいなぁって。
でも、コロナの第3波を受けて、帰らないことにした。
実家には小さな子供もいるし、家系的に肺があまり強くない。
母は帰ってきてもいいのに、と言ったけど、
不安の中でとても気をつかって毎日を過ごしている祖父母を思うと、その言葉に甘える気にはなれなかった。
苦渋の決断だった。
でも今年はこんな状況だししかたないよね…
誰にも、どこにもぶつけようのない切なさをぐっと自分の中に押し込めた。
そんな時に、この広告を知った。
まるで故郷の家族からの手紙のようなコピーに
強がった心をほろっと解かれ、涙がこぼれた。
ああ、私、こういう広告の在り方が好きだ。
言葉の在り方が、好きだ。
じんわり胸の奥が熱くなるのを感じた。
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私は広告業界で働いている。
そして、書くことを主な仕事としている。
あらゆるコピーを、文章を、企画書を、書いて生きている。
もう本当に個人的なことだけれど、
今年は会社で自分の立場が変わった年だった。
それが苦痛だったのか、変化に適応するのが難しくて
最近は仕事に楽しみを感じられなくなっていた。
あんなに、仕事中毒と言われるほど仕事ばかりしていた私が、
楽しさよりも義務感や責任感が勝って
もう私、良いコピーや企画、戦略を考えられないのでは?
他の人生もあるんじゃないか?
別に仕事はほどほどに頑張ればいいんじゃないか?
そんな気持ちが、頭の片隅にずっと居座ってスランプになっていた。
多分、書くことの意義や、なりたいライター像を見失っていた。
広告にもいろんな種類があって。
ブランディングや認知を目的とした広告から
サイト流入、獲得を目的とする広告。
企業のメッセージを伝えるものから
生活者の心の内を代弁するものまで。
本当に、最近はいろんな広告がある。
いろんな役割をもつ広告だから、
時には「良いコピー」「ぐっとくる表現」よりも
ビジネスを円滑に進める表現が求められることも多い。
それは、広告がマーケティングの一環であるから当たり前のことだし、
クライアントから依頼を受けて書いている以上、
納期や規定がある以上、その縛りの中で書くことがライターの仕事だ。
いけないのは、それに惰性で慣れてしまうこと。
コピーを考えるとき、ビジネスが「伝えたいこと」よりも先立ってしまうこと。
「伝えたいこと」が無いコピーは、誰の心にも届かない。
でも多分、最近の私は、そうなりかけていた。
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これは広告だけではなく、文章全てに通じること。
私はゲームの物語を考えたり、書く仕事をしていた時期もあったけれど、その時も同じだった。
結局、「伝えたいこと」がすべてだ。
そして「伝えたいこと」って何?と言ったら、
個人的には、どの広告も物語も、結局は愛なのかなって思う。
というか、
人間の物語を書くとき、誰かの生活をより良くする商品をプロモーションするとき、そこに愛がないわけないのだ。
全ての人生がラブストーリーであるように、
全ての商品には、誰かを幸せにしたいという企業の想いが少なからずこもっている。
※もちろんただの金儲けのための品も世の中にはあるけど、少数だと信じているのでここでは無視する。
つまり、何が言いたいかというと、
広告も物語も、誰かにあてたラブレターなんだよねってこと。
広島県観光連盟の広告。
どうして多くの人が心を揺さぶられるのだろうか。
時世を反映しているから?
飾らない表現だから?
インパクトがあるから?
全てあると思うけど、私はそこに「愛情」が見えるからだと思う。
東京に住む広島出身の人への愛。
コロナで大事な人に会えずにいる人への愛。
寂しい思いをしている人への、負けそうになっている人への愛。
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広島の広告を見て少し泣いた後、今こうしてnoteを書いている。
この感覚を忘れないために。
見失いかけていた、書くことの意義を離さないように。
私は、愛を紡ぎたい。
愛を書く人になりたい。
背筋を伸ばす機会をくれた広島県観光連盟の広告に感謝です。
今年はいろいろ大変な年だったけれど
もう少し、みんなで頑張りましょう。
私も東京で、頑張ります。
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