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紋切型社会

「紋切型社会」武田砂鉄著を読んだ。まあ社会全体が波風を立てないことを基準に言葉を選んで使っているのではないかというような話。適当に引用するとこんな感じ。五体不満足の乙武 洋匡 氏とHIV訴訟原告の川田龍平氏、世間は乙武くんと呼び、川田さんと呼ぶ、高校野球は選手を君付けで呼び、国会でも議員を君付けで呼ぶ。指名手配の容疑者は犯罪が確定していなくても呼び捨てだ。かの24時間テレビ、今年は DAIGO が走るとか走らないとか、きっと今頃、企画会議では、ゆとり世代の AD 君は上司に呼び出され、「んで、去年は何だったけ」「えっと、車椅子の少年×シンクロ、あと、盲目の少女×登山っすかね」「っすかね、じゃねえよ。で、なんかもっとぐっとくるのねぇのかよ」「じゃあ、初めての義足で走り幅跳びとかどうっすかね」「っすかね、じゃねえよ。ってかそれ、前にもなかったっけ」「えっと、少なくとも5年はありません」と、こんな感じで決まっていて、出来上がった番組を観て日本中が感動してるとしたら悲しいですよね。こんな感じで、私たちがどれだけ言葉に踊らされているのかを、身の回りに飛び交っている言葉を例に、これでいいのかと問題提起している本です。面白いよ。
20150531

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