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傲慢と善良

学生の頃は、年齢が近い男女が一定数ずついて、週5日顔を合わせていた。今思えばすごいことだ。

社会人になり、大体の人が年上で、大体のひとが(え、この人が?っていう人も)結婚している。

出会いがないといえばそれまでだが、会社と家の往復で何かあるわけがない。平日はそれどころじゃない。
休みは休みで資格の勉強がある。

そこでアイの力を借りた
アイとはAI。すなわちアプリだ

怖くてなかなか身分証を登録できなかった。
もし流出したら?こいつ、アプリやってるんだ、恥ずかしいね、なんて言われるのかなって。
でも世の中アプリの出会いが当たり前。
そう言い聞かせて登録した。

顔がたくさん出てきて、気持ち悪いと思ってしまった。条件で検索できるのも気持ち悪い。人は不動産物件じなないのに。

そう思いながらも物色する。譲れないのは、身長、学歴、職業、長男除く…
そんなひと、地元に残っているわけがない。

善良と傲慢と言う小説、すごいリアルで怖かった。私はまさにこの女の人なんだ。
売れ残りの掘り出し物、それを探しているの?私は…

でもビビッときた2人目、私は100%で好きと言える。相手はきっと、妥協の上での70点かもしれないけど。
この小説が、彼のおすすめというところが皮肉だ。

彼が何点付けようと、そのうち私は彼に100点付けさせる。そう思いたいのに、不安でしょうがない。

自分を磨くためにダイエットして、本をたくさん読んで、自律した人間になりたいって思えるのは彼のおかげ。恋をすると人間生き生きとするものだ。目の前のにんじん(約束)目掛けて仕事も頑張れる。(最初は脳内お花畑で、仕事が手につかなかったけど)

傲慢な気持ちで選んだしれないけど今は純粋な気持ちで好きと言える。どこかに行った時、彼に見せたい、彼に伝えたい、彼と行きたいと思える。

上書きするほど更新されない。だってずっと好きなんだから。変わらない変わりたいもっとちゃんとしたい。だけど今あなたを好きな自分も好きでいたい。
ていうaikoの新曲、まさに今自分すぎて怖い。(しかも唇にほくろがあるのも同じ。)

同期との旅行でアプリをやってる男子の意見を聞いてグサッときた。結婚を目的としているから、稲妻が来るような恋愛をそもそも求めていない。
だから連絡はLINE一日一往復あればいい方、会うのは1ヶ月に一度でいい。
分からない。
多分彼もそうなのかも、と思った。稲妻が走っているのは、わたしだけ。

結婚願望もいまいち見えない。でも彼は三回目のデートで、素敵なプランを考えてくれたし、手を繋いでくれたし、好きと言ってくれたし、キスして抱きしめてくれた。

気持ちは全然わからない。次あったら確かめたい。そう思うのに、会うのが怖い。

同じ空の下、同じ地域で働いて生きているはずなのに。会いにきてほしい。耳をすませばの彼のように。窓に石を投げて。笑
他人に求めすぎてるんだよな。きっと。

そんなことを悶々と考える。26歳冬。

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