長い長いトンネルを抜けると

 おざなりに触れていた言い回しが、自分の体験にシンクロすることがある。

 「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。夜の底が白くなった。」/『雪国』(川端康成)

 そうなんですよ。つらい状況を変えたくてもがいている、その暗いトンネルは長いのよ。でもそこを脱すると一気に違う世界が広がる。夜は夜のままだとしてもね。

 私の「トンネル」は、4か月間の身体の痛みでした。

 最初は右肩が上がらないくらい痛くなって動かせなくなりました。
 原因は、6月にパソコン作業が急に増えたせい。その作業が減っても、痛みは治まらず、どんどんひろがっていきました。

 右肩→右の脇の下→右肩をかばって動かしていた左肩→首の後ろ→腰。
 とはいえ、人前で痛いと言えないから我慢するし、我慢すれば痛みにも「慣れ」るもので、痛いと思いながら、ずるずると生活していました。

 ある時、「こんなにずっと痛いのって、おかしくないか?」と我にかえって、あれこれ試してみました。結論からいうと、身体を労わらないで乱暴に扱っていた自分を発見しました。

 そしてついに昨日、痛みが取れて肩があがるようになりました! 
 痛む前は、痛まないことのありがたみって分からなかったですね。
 痛みを和らげるためにやったことを、試した順に書くと、

 1)アレクサンダー・テクニークのオンライン講座(75分)を2回受講
  →過剰に一点集中しないことと、身体全体で動くことを学びました。さらに自分の身体の悪い癖をみつけて直していこうと考えるきっかけになった。

 2)脳疲労改善専門ドライヘッドスパエステサロンに7回通う
  →身体の歪みをとって良い睡眠による自然治癒力をアップすることに気を付けるようになった。

 3)新しい枕を買った。
  →上記2)で紹介された枕。首の緊張がゆるんで爆睡できるようになりました。サロンへ3回通った分ぐらいのお値段。

 このどれが欠けても今のすっきりにはたどり着けなかったはずです。

 トンネルを抜けたほやほやの気持ちは、「初心」と呼んでもいいのかもしれません。まるで生まれ変わったようなすがすがしさがあって、この気持ちを忘れたくなくて、これを書きました。


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