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フリースクールはお金がないと通えないよ。


たったひとこと。


「お金が足りないので、フリースクールには通わせられないです。」

フリースクールのスタッフとして活動をする中で、聞くとかなり上位レベルでしんどくなっちゃう言葉です。僕以外にも、子どもたちの居場所をつくりたいなと考えられている方々は、このしんどさを直に感じられる時もあるかと思います。

ここではあえて2者視点にしてお話をします。子どもをフリースクールへ通わせたいと思っている保護者、そして子どもたちのことを応援したいと思っている人たち、どちらも一緒に協力をしながら子どもたちの居場所をつくって行くことが前提として大切です。大切なのですが、今回は「子どもたちのことを応援したいと思っている人たち」の視点を主としてこのしんどさに向き合ってみます。



こどもたちの未来を一緒に見ることのできる嬉しさ。

僕は、フリースクールのスタッフとして約2年間200件近くの面談やお話などをしてきました。大体保護者の方だけ、もしくは子どもたちも一緒に来てくれるってことが多いです。そして、保護者が悩まれてることを一緒に考えてみたり、子どもたちのやりたいことを実現するためにめちゃくちゃお話したりと面談の時間の過ごし方は様々です。

もちろん僕たちが運営する「無花果もえぎフリースクール」に通ってもらうことがその子にとって良い選択だとどの子に対しても思ってるわけではありません。面談の時間の中で、その子にとって興味があったり「したい!」って思える選択肢を考えていく中で、もえぎに通うことを選んでくれるとすごく嬉しいです。あったかいお風呂に入った気分になります。そして同じくらいもえぎ以外のフリースクールや適応指導教室などに通うことを選んでくれた時もとっても嬉しいです。これもあったかいお風呂に入った気分になります。

いま目の前にいるその子が未来に目を向けてわくわくしてたり、不安を感じてたりする姿を見れるとすっごく嬉しいんです。これ共感してもらえてたらめちゃくちゃ嬉しいです。



お金が理由で受けたい教育を受けられない苦しさ。

でも、フリースクールの費用はこれくらいですってお話したときに聞くことがあります。

「お金が足りないので、フリースクールには通わせられないです。」

フリースクールを運営していく難しさを実感しながら少しずつ社会が移り変わっているといえど。です。フリースクールに通う費用を見せたときの保護者さんには「お金が理由でフリースクールには通わせられない」と見えちゃっているんです。(本質的にはお金が理由じゃないとかそもそもその金額を払えるだけの価値を感じていないとかは一旦置いときます。)

まあ確かにそうだよなって思うところもあります。事実、フリースクールは「学校」ではないのでその子が通っている小中学校に籍を置きつつ、フリースクールに通ってもらうことになります。とすると、小中学校の学費+フリースクール費用と2つの費用が重なってしまいます。

わかってはいるけど、面談の中で目を輝かせながら未来のことを考えてたり新しい一歩を踏み出そうとしている子が目の前にいるのに、保護者の方が「すみません、うちにはまだ早かったみたいです。」「お金結構かかるんですねー。考え直します。」って気持ちに反した少しばかりの笑顔を見せながらフリースクールに通わせることをやめることがあります。それを聞いたら言いたくもなります「あ、良いですよ!やっぱり無料で通ってもらって!!」って。

でも、それをしちゃうと僕たち運営が回らなくなってきて、結局子どもたちを応援したり一緒に活動したりするだけの僕たちの体力がなくなっていくんです。本末転倒ですよね。誰も悪くないんです。本当に。でも、僕たちスタッフは「無料で通わせてあげたいけど、それはまだ難しい」って葛藤を感じながら面談が終わってもえぎのドアを出ていくその子を見送ります。「ばいばーーーーい!!またね!!」って。全力の笑顔で。全力でまたどこかで会えることを願って。全力でその子にいいことが起きますようにって。

お金だけが問題なら行政が運営する適応指導教室だったりボランティアさんが運営されてる施設や居場所があります。いいところばっかりすぎるので子どもたちがそう言った場所で活動することを選んだと聞けた時は喜びます。言いたいのは「本当は受けたい教育があるのに、お金だけが理由で他の教育的要素を妥協してしまう。教育を受けることを諦めてしまう。」そんな現状を見ることが心の底から苦しいです。



フリースクールスタッフからのお願い。

ここまで読んでくださった、子どもたちの活動を応援したり一緒に活動をすることに熱意や想いを持たれているあなたにお願いがあります。

子どもたちの活動を応援していただけると嬉しいです。これに尽きます。ここでいう「応援」はいろんな意味があります。フリースクールや適応指導教室、居場所を運営すること。これも応援です。実際に毎日こどもたちと活動するのは難しくても少しボランティアへ行ってみる。こどもたちの気持ちに寄り添ってみる。寄付をしてみる。一緒にしてみる?ってこどもたちと遊んでみる。どれも全部が応援になります。(もうすでに応援してるよ!って方にはごめんなさい。)

教育に関心があるとかないとか全然関係ないです。「これ子どもたちとやってみたら楽しそうかも?」とか「こどもたちと」ってキーワードが入った事柄は全部最高です。そこにはあなたが大切にしたい想いがたくさん乗っかってると思うので。

そしてそれを僕たちのような、子どもたちの居場所を運営する人や関心がある人。子どもたちと活動する人に伝えてくださると嬉しいです。僕たち「無花果」だけでなく全国各地、全世界で毎日子どもたちとのことを夢描く人たちがたっくさんいます。Twitterにいるかもしれない。隣にいるかもしれない。もしかしたらあなた本人がそうかもしれない。その人にあなたの想いの丈をお話してくださるととっても嬉しいし、そこから新しい子どもたちとの活動の選択肢が出てくるかもしれないと思うとわくわくします!これを読んでくださってるあなたとお話できることを楽しみにしています‥!!

未来に向けて目を輝かせる子どもたちの次の一歩を一緒に考えていけるととっても嬉しいです。「お金が足りないので、フリースクールには通わせられないです。」って寂しい言葉が聞こえなくなることを願って。



無花果って?

最後に無花果のことをちょっぴりだけお話しさせてください。今僕たちは「無花果高等学園」という通信制サポート校と「無花果もえぎフリースクール」というフリースクールを同じ場所で運営しています。詳しいことはこちらからみていただけると嬉しいです!もしこのnoteを読んでお話ししたことができた方は無花果のスタッフはじめとしたメンバーがSNSをしてたりするのでDMだったりしてくださるとみんな喜びます。ここまで読んでくださりありがとうございました!!


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