ゆたかであるということ

冬、寒くないこと。
成城石井で１本400円のちょっといいクラフトビールを買えること。
おなかが空いたときにホカホカのごはんが炊けていること。
ホカホカのごはんでおにぎりを作って、それを巻くのりがあること。

金曜日の夜。
次の日、休みであること。
目覚ましをかけずに眠れること。

晴れた日に散歩に出かけること。
歩きながらワイヤレスイヤホンから好きなアーティストの音楽が流れてくること。
どこか懐かしい風の匂いをかいで過去の記憶をたどること。

雨の日に家から一歩も出ないこと。
雨音を聞きながらぬくぬくふとんの中でドラマを見まくること。
ちょっと飽きたら江國香織に浮気すること。

夜、眠る前に友達からもらったハーブティーを淹れて飲むこと。
何の心配事もなく安心して眠りにつけること。
今の仕事が大好きじゃなくても大嫌いじゃないこと。

泣きたい夜に誰にも邪魔されずに泣けること。
泣き疲れて眠っても目が覚めると朝が来ていること。
何度夜が来ても必ず朝が来ること。

寂しくなったら電話できる人がいること。
寂しくなったら訪れていい家があること。

世界が終わるんじゃないかという出来事が起こっても、
あなたさえいれば生きていけると思える人に出会えたこと。

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