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フランス下院選挙から考えること


✅世界が注目したフランス選挙の行方

フランスの選挙の結果に世界が注目しました。
流れと結果について解説していきます。

※政党の主張などを記載していますが、私がどの考えを推すというのはありません。


✅衝撃を与えた第1回選挙投票

第1回目の選挙投票では、極右政党と呼ばれる、マリーヌ・ルペン氏が率いた党が躍進。躍進したのは、
長く続く移民問題、特に外国人が自分たちよりも所得の再配分などいろんな面で優先されているんじゃないかという不満の高まり。など

相当現状に不満が高まっていたのかもしれませんね。


ちなみに、政権を握っていたマクロン大統領が率いていたのはアンサンブル中道会派。
ここが3位となったのも衝撃的でした。
しかし、極右が現実的となると今後のフランスの行方に懸念を持つ人もたくさん。

✅各政党の特徴

 新人民戦線(左派)

  • 背景: 左派政党の連合会派で、社会福祉の充実や公共サービスの拡充を目指す政策を掲げる。

  • 政策: 増税を通じた財源確保を主張し、教育や医療の無料化などを推進。しかし、こうした政策には多大な財政負担が伴うため、財政の健全性に対する課題も​。

  • 戦略分野(EVなど)での他国依存脱却のため産業強化支援

  • 個人向け住宅支援

  • 金融取引税の引上げ

  • 所得税の累進性を高め富裕層への課税強化

  • 長期的に定年を60歳に引下げ

  • 移民規制法に反対などなど

アンサンブル(中道)

  • 背景: 現職マクロン大統領が指揮する中道連合。市場経済を重視しつつ社会改革を進めるバランスをとった政策。

  • 政策: 経済の成長を促進するための改革や、労働市場の柔軟性を高める政策などバランス重視。

  • 戦略部門の国内生産強化

  • 相続税の引き下げ

  • 不動産購入支援

 国民連合(極右)

  • 背景: ルペン氏が率いた党で、若手のジョルダン・バルデラ氏が党首に就任しました。移民制限や国家主義的政策を強調

  • 政策: 大規模な減税や移民の制限を主張し、治安強化を掲げる。一部の公職からの重国籍者の排除、移民政策や難民受け入れを厳格化するための憲法改正など外国人を排除する考えが強い。

  • 移民流入削減を保証する憲法改正を目指す

  • エネルギーでEU規制から脱退

  • 安全保障・防衛分野の従事者は フランス国民に限定など

✅予想を覆した決選投票

第一回目の結果では、極右が躍進しこのままの勢いでいくのでは?と言う声も。
しかし、フランス代表のキリアン・エムバペ選手が極右に政権を渡さないようにする呼びかけを行うなど極右に傾くことに不安を覚える声が高まっていきます。

そして迎えた決選投票の最終結果はこちら。

トップだった極右政党が3位に。左派連合がトップと大逆転。左派と中道の協働の効果もあったようです。

しかし、どの政党も絶対多数を獲得できず、「ハング・パーラメント(どの政党も単独で過半数を持たない議会)」の状態は続きます・

✅今後どうなっていく?

今回の選挙結果は、フランスの政治に大きな影響を与えることが予想されます。
第一会派となった新人民戦線は増税と社会福祉の拡充を掲げています。
これは、多くの財政負担を伴います。フランスの財政への不安が高まる可能性も。
しかし、極右の過半数獲得が阻止されたことは、短期的な安心材料。

単独過半数の持つ政党がないハング・パーラメントの状態が続くため
各種人事などの調整が難航することが考えられます。
新人民戦線とアンサンブルがどこまで協力できるか
両政党の政策には違いも大きいため簡単ではなさそうです。

特に、年金制度やエネルギー政策などは考え方の違いが大きいと言われています。なにごとも決定するのに非常に時間がかかるかも。

しかし、移民問題などの不満はまだまだくすぶっている様子も。
今後は27年の大統領選挙などでも極右政党の勢い拡大する可能性もありますよね。
今回の選挙はトップから3位へと過半数獲得や第一党ではなくなりますが、かなりインパクトを与えたのは事実です。
フランスの外交姿勢の急変などが起きたら世界経済にも影響を与えるかもしれませんよね。

株価にとっても、今後財政出動が加速し、財政懸念となれば
金利上昇・株安などの結果を招くかもしれません。



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