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【マジになる】クラブ好きがヒプステのライブ(BoP)に行ってきた【クオリティファースト】

先週の土曜日にヒプステのライブに行ってきました!

友達がヒプマイが好きなのですが、一人じゃ嫌っぽく9/9土曜日の昼公演に招待されて付いて行った形になります。
ヒプステのことは以前より音楽面で注目していたので、何回か完全忖度なしのレポを書いております。

2.5次元舞台のくせにクラブ界隈で活躍しているトラックメイカーを音楽プロデューサー据えて、J-Hiphopとベース系ダンスミュージックを中心に据えて劇中に展開させる方法は他の2.5次元舞台と一線を画しております。

どうやら今年のヒプステのライブでは俳優さんたちが全員ごっそりと卒業するらしく、ファンたちから惜しまれています。
卒業ということなのでこのヒプステはいったん区切りとなります。
ストーリーとしてはまだ先はありますが、次はあるのでしょうか(笑)

いつもの通り音楽についてが中心なので俳優さんやキャラのレポは殆どしません。予習もアニメと舞台を少し配信で見た程度なので。
※と言いつつかなり当初より話が逸れた

1.はじめに

ヒプノシスマイクの舞台、ヒプステの正式名称は、『ヒプノシスマイクーDivision Rap Battle Rule The Stage』といい(長いっての)、ストーリーも恒例の新興勢力(オリジナルディビジョン)を登場させ、原作のストーリーを軸にしつつ、「What’s if ?(もし・・・)」的スピンオフかつ別のユニバースとなっております。

今回のライブ(Battle Of Prideという正式名称)、これにもオリジナルディビジョンが登場し非常に多角的な展開を見せています。グッズも彼らのものが存在します。結構大所帯で笑ってしまいます。

とりあえず、そんな作品に1週間後にはULTRA Japanに二日通しで行くような人間が参戦して参りました。
好きな音楽ジャンルはテクノとハウスなのでヒプステの芸風とは真逆のジャンルが好きのですが、音楽のことはその辺のオタクよりは詳しいかと思います。
※若いクラブ界隈の子からは「曲名知らないんすか?有名っすよ…」とか言われることしょっちゅうです

過去の私のレポについては下記リンクをご参照ください。

2.ヒプステの音楽や現場についてのあれこれと俳優さんのあれこれ

今回のヒプステのライブも今までの舞台の総集編のようなライブでございますから、先ほど紹介したリンクにある通りのベース系ミュージックのオンパレードでございます。
お客さんのバイブスと一体感の盛り上がり的にミクスチャーロック/ラップコア(ヒップホップとロックが融合したような音楽)が中心になっていました。
ただ、Future BassやGrime、Trap等を取り入れて音楽のバリエーションが非常に豊かであるのがヒプステの大きな特徴でもございます。

ミクスチャーロック/ラップコアってこういう感じの音楽です。

その他にもダブステップやトラップにはとても精力的に制作を行っているのが一回みただけでも丸わかりです。

独特でやばいバイブス

ヒプステのライブは演者さん(キャラクター)もお客さんも独特でヤバいバイブスがあります。

人生経験上と偏見に包まれたオタクジャンルのライブ像って、ペンライト振るだけの何しに来たのかよくわからない方々(音楽は二の次で推しを見に来ているんでしょうけども)が多い印象ですが、ヒプステのライブは「推しを見ること」と「音楽を聴きに来た」というのが両軸で動いているように見えました。
隙あらば自語りってやつですが、私は音楽を聴きに来たテイで来ています。ついでに三郎ちゃんやシブヤの面々を見に来ています。かわいいよね、この子たち。アニメを見て三郎ちゃんカワイイってなりました。

原作版はこんな感じ。うーん、かわいい。

ちなみに実写化するとこんな感じです。黄色いパーカーの子。末っ子かわいいよね、ほんまに。
ちなみに帽子の子が真ん中の二郎、赤と紺のブルゾンを着ているのが長兄の一郎です。
バッチバチのアッチアチのカッ!!!ってなに(笑)

そもそもヒプステのグッズにはペンライトが公式で展開されておらず、リングライトとブレスレットライトで光物は展開されています。プチョヘンザ重視ですね。
※オタクとパリピって本当に光物が好きですね。蛍かよ
ついに今回のライブでは公式ラインナップから光物が消えた。ますますオタクから遠ざかる。。。

そのためか、煽りのセリフもプチョヘンザばかりです。どういうことだよ、とは思うのですが、原作版ライブもおおむね同じらしいです。「他のオタクジャンルとは俺たちは違うんだ」という演者/プロダクションのプライドとお客さんも「他のオタクジャンルと同じにしてくれるな」っていう矜持が現場行っただけでも見え隠れしています。どっちもプライドだね。
クラブ界隈に居る私もこの空気感は居心地がよいです。

俺たちは違うんだ

俺たちは違うんだ、というのが作り手からも受け手からもなんとなく感じることが分かったのですが、それはどうやら本当のようで、特に作り手からの並々ならぬ矜持というのは俳優さんのインタビューで感じることが出来ます。

では、参考に左馬刻様役の阿部顕嵐くんのインタビューを引用していきます。これなんてすごくいい例ではないですか?ヒプステは外野に近いですが、粗削りとはいえソウルを感じます。

──阿部さんは『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』最初の舞台化である-track.1-から出演されていますが、『ヒプステ』の受け入れられ方の変化をどう感じていらっしゃいますか?

やっぱり特に最初は、原作ファンで「舞台化嫌だな」って思う方もいるじゃないですか。僕もその気持ちはとてもわかるんですけど。だからこそ『ヒプステ』では、舞台ならではの良さを見つけたいと思っていて。原作の良さは活かしつつ、別の要素で「これはわざわざ舞台を見にくる甲斐があるな」と思ってもらえる作品を作る必要がある。その想いで、豪くんと僕らでずっと話し合って-track.1-を作り上げてきました。実は最初、僕ら全然ダンスシーンはなかったんですよ。原作ファンの方をがっかりさせたくないという想いがあったから、あえてそうされていて。でもキャストもスタッフも反骨精神がある人ばっかりだったから、「やってやろう」という思いで挑んでいました。そしたら、最終日には当日券に列ができるほど観にきてくれる人が増えて、今ではダンスシーンもかなり増えてきたと思います。がんばってよかったなと思いましたね。

「ヒプステは“ホーム”」碧棺 左馬刻役・阿部顕嵐が語る作品愛とプライド 今だから話せる-track.1-秘話も

インタビューのリンクはこちらより。あら本体の姿の方がイケメンね。

阿部くんが語るように、原作ファンを落胆させたくないという強い意志を持ってこの作品に挑んでいます。
そんなのどこも同じだろっていう話だとは思うんですよ。他の2.5次元作品や実写化作品の関係者が彼のようなソウルをもっていないはずはありません。
ただし、ヒプステが異なるのは原作サイドの声優さんが彼ら2.5次元俳優のことを参考にし、リスペクトしていることです。
では、同じ記事内にとある記載がありますので見てみます。

以前浅沼さんと対談させてもらったときに、「どうやって動いているの?」と聞いてくれたので「“静”を意識して、なるべく視線も、歩くスピードもゆっくりしています。そうすると自信があるように見えるので」という話をしたら、「意識するわ」って言ってくれて、浅沼さんがステージに立つときに、それを踏襲してパフォーマンスしてくれたんですよ。声の本物だった人が、僕の動きを意識してくれるなんて、すごくありがたいです。

「ヒプステは“ホーム”」碧棺 左馬刻役・阿部顕嵐が語る作品愛とプライド 今だから話せる-track.1-秘話も

声優さんと俳優さんの相互作用が上手く効いている例だなと思いませんか?それだけ阿部くんもガチだったのですが(ガチでないヤツなんているのだろうか)、声優さんに演じ方を取り入れられるレベルはなかなかないのでは?と勝手に推測します。

役に入りきるメソッドアクターもいるの…?

一人だけでは論として心許ないので、阿部くんと同じ古株の山田一郎役高野洸くんの発言も見てみたいと思います。
……と思ったらネットで気軽に確認できるソースではあまり深い話をしてないので、過去に何度も引用しているこれを紹介します。

高野のポリシーとして「僕はいつも2.3次元ぐらいを目指したいんです。自分が原作ファンだったら、そのものが飛び出てきてほしいと思うから」と舞台への熱い想いを語った。そこに“高野感”を入れたいと思うことはまったくなく、「なるべく自分を消したい」と考えているという。ライブパートにおいても木村のラップの動きを取り入れ、一郎のソロ曲「俺が一郎」をカラオケで何度も歌い木村の声を練習したとのこと。その発言に、木村が感動で言葉をなくしてしまう場面も。

「なるべく自分を消したい」ヒプステ俳優・高野洸の言葉に『ヒプマイ』声優・木村昴が感動!2人の想いが“スーパー一郎”を生み出す

本当に申し訳ないくらいこれを引用しまくっていて、例えば高野くんがメソッドアクターではないかという考察でもこれを使ってしまったくらいです。本当にしつこいね、申し訳ないです。本当にいい資料です。

元記事はこれです。

木村昴さんが山田一郎のオリジナルで原作の大部分を構成するような人ですが、木村昴さんが高野くんの山田一郎を見た感想が以下の通りになります。

木村が舞台版を初めて観劇した際に感じたのは「めっちゃ俺だ」だったそう。ラップの仕方やクセ、しゃべり方や語尾のニュアンスなどがまるで自分のようだったと語り、「かなり練習を積まれたのではと思ったら、オープニングの時点でボロボロ泣いてしまった」と興奮気味に話した。

「なるべく自分を消したい」ヒプステ俳優・高野洸の言葉に『ヒプマイ』声優・木村昴が感動!2人の想いが“スーパー一郎”を生み出す

声優さんが見て「めっちゃ俺だ」と思うのは相当ですね。高野くんはキャラやモデルになった人物に限りなく近づこうとするメソッドアクターの片鱗が見え隠れしているのですが、それにしても声優さんにこう言われるのは相当似ているんだなと思います。
阿部くんとは逆のアプローチですが、声優さんとの相乗効果がありますね。
余談ですが、高野くんの演技は「桐島、部活やめるってよ」とか「ドライブ・マイ・カー」のような自然な演技をします。山田一郎の時でもどこかワザとらしくない感じがして、ブロードウェイの演劇でよくある「役を生きる」という感覚です。

※メソッドアクターたちの役作りってなんやねんという方はこちらをご覧あれ

ヒプステに関しては高野くんも壁だと言っています。

本当に、一緒に壁を乗り越えられたこと、感謝しかないです。たくさんの方に応援してもらえる作品になったのは、豪さんや顕嵐をはじめ、みんなのマインドがあったからこそで。『ヒプステ』はキャストの見た目もやんちゃで、舞台作品としては一見異色に見えると思うんですが、みんなスキルを磨きながら前向きな姿勢を持っているのがかっこよくて、刺激を受ける現場だったし、何より楽しかったです。

高野洸・阿部顕嵐・植木豪、『ヒプステ』出会いに感謝…集大成ライブ『BoP』稽古で新たな発見

元々は映像化もされていなかった(2019年当時)ラップバトルでの勢力争いと女尊男卑の世界描く…というのはかなり壁ではあるのですが、それ以前にこのヒプノシスマイクの舞台化は当初ファンたちにボロクソに言われています。
ボロクソに言われ具合は、公式のTwitter(今はXか…)のコメント欄をご覧ください。クソの山ってくらいボロクソです。

※実際に気になる方はこちらのまとめサイトを見るかツイートについているリプでも見てね。

こんなボロクソに言われる中の第一シーズンを始めなくてはいけないのですから、阿部くんも高野くんも「くそったれ」と思いながら取り組んだことは想像に難くないです。

そりゃ余計に演技や演出で圧倒してやろうとなってしまうよね。

3.クオリティファーストを貫くプロダクション

んで、俳優さんたちのサンプルを取り上げたところで、いくら俳優さんたちの演技がたとえトニー賞級であっても演出がダメだと駄作扱いを受けます。
ヒプステの演出はレーザーやライティング、VJに非常に凝っていて他の舞台とは一線を画しているように思います。
その演出を担っている植木豪さんについて見てみたいと思います。

植木豪さんは、元々ダンサーからキャリアを始めているようで、演劇の世界の人間ではないようです。ダンサーもヒップホップダンスの方で海外のコンクールに出場するほどの実力派の方でした。
そんな植木さんがヒプマイのことをこう思ったそうです。

僕、演出を手掛ける前に『ヒプノシスマイク』のライブを見に行ったのですが、お客さんがみんな手を上げていてヒップホップよりヒップホップでした。そのパワーに圧倒されて、そのままを舞台でもやらないといけないと感じて。なので、僕らも原作をリスペクトしているし、世界観を絶対崩さないようにしています。

植木豪が演者・演出家として目指す姿 『ヒプノシスマイク』『進撃の巨人』など舞台への意識

ええ、本場の方から見てもそうなんですね。なるほど私が感じたことも強ち嘘ではなさそうです。

元記事はこちらになります。

植木さんは音楽についてもマジでやらなくては思っていたようで同記事でこのようなことも語っています。

『ヒプノシスマイク』は音楽に関してかなりシビアなんですよ。しかも、ヨコハマ・ディビジョンであれば横浜、イケブクロ・ディビジョンであれば池袋にルーツを合わせてある音楽なんです。加えてキャラクターごとにラップのフロウに個性があったりして。ヒップホップに精通している人がやらないとダメだということで僕がお話をいただきました。

植木豪が演者・演出家として目指す姿 『ヒプノシスマイク』『進撃の巨人』など舞台への意識

音楽に関してディビジョンごとに地域性が出ているなと私も思っていたので、本当の話だったんだと感動しています。
それは置いといて、音楽もマジでやらなくてはいけないと感じているのはファンにとっては嬉しいことですよね。
ヒップホップ畑の植木さんが、ヒップホップを体現しようとヒプステに取組んでくれているのは十二分に伝わります。

スタッフたちさえもヒプステが一旦区切りがついて(金食い虫だから打ち切りにあったのか?)、まるでこのプロダクションが終わってしまうかのような、卒業式の学生かみたいなコメントを残しています。

打ち切りになったみたいな哀愁と、植木さんの情熱を感じます。
ちなみに植木さんは若い俳優さんから相当なリスペクトをされています。そりゃお洒落な中年だもの。しかもストリート文化のね。
例に高野くんのコメントを引用しますが、植木さんに関しては同じ古株の阿部くんもリスペクトしているようです。

脚本の亀田さんなんて消化不良感を思いっきり出しています。

なんと衣装さんまでもとてつもなく思い入れがあるようです。
この方当時は新人さんだったようで新しい才能にも積極的なプロダクションであることがうかがえます。

とりあえずスタッフ陣がこんな名残惜しそうな発信をするヒプステというのは相当なクオリティファーストな現場であり、俳優陣だけではなく、スタッフ陣のアイディアや表現を尊重していたのだと考えられます。
新人の衣装さんから若手俳優までアイディアを尊重し、先進的な音楽と演出でシーンをリードしようとする姿は、そりゃスタッフも俳優もこのヒプステの製作チームを好きになるわけです。

ただ、ヒプノシスマイクは音楽を全面に出したコンテンツです。肝心の音楽がガチでマジなければ意味がありません。

4.音楽もマジでやります

演出の植木さんがヒプステは音楽に対してシビアであると言った通り、2.5次元舞台の中ではかなりのクオリティです。
クラブ界隈にいる私ですらもちょっと流行から遅れている部分はありますが、十分に先進的だと思います。

例えば、ヒプステの2021年のライブでダンサーお兄さんズが踊るインターリュードがあるのですが、それにTech Tranceの曲が使われていました。
(ですよ……ね?)

Tech Tranceはこういうやつ。


Tech Tranceというか、2019年頃からEDM業界全体でTechno、Tech HouseのTech系と呼ばれるジャンルが流行を見せており、Tech Tranceもその流れで流行っています。(Technoほどではないですが…)
余談ですが、ここ1、2年でULTRA Music FestivalやTomorrowlandではTechno系DJのCharlotte de witteやPeggy Gouがメインステージに出てくる有様です。日本のULTRA 2023ですらPeggy Gouがメインステージに立ちました。マジかよ……。

というわけで、Tech系ジャンルは今めちゃくちゃ流行りなんですが、ヒップホップとは繋がりが薄いダンスミュージックを使う様にあっ晴れです。

その他、Hip House、Grime、UK garage、Future bass、Trap、Hybrid trap、Riddim……を使いこなしています。
ちなみに皆さんはパッと曲の雰囲気が思いつくでしょうか。多分余程詳しくないとわからないレベルだと思います。

そんなこんなで、こんな先進的なダンスミュージックをこの舞台に提供しているのはKEN THE 390さんです。
彼も元々はヒップホップ系のトラックメイカーで、アニソンや舞台音楽の出身ではありません。また、ラッパーもしていた経歴もあります。

ヒプステについて語っているインターネット記事は見つからなかったのですが、ヒプマイについて語っていたので面白いものがありました。

「ラップ」というアートフォームやツールを使って、もっといろいろ面白いことができるんじゃないか、って思わされました。それは、先ほど話したような、「何がリアルで、何がフィクションか」という部分も含めて。

それから、アメリカのメインストリームとしてのヒップホップと同じように、各々の国で受容されてローカライズされていくヒップホップ、ラップもすごく面白いと思うんです。

それでいうと、ヒプマイというのは、アニメやキャラクターがカルチャーの中で大きな割合を占める、日本という土壌でないと絶対に生まれなかったラップミュージックだと思います。しかも女性のアニメファン、声優ファンをある意味ターゲットにしたコンテンツっていうのは、海外じゃ難しいと感じるし、日本でしか生まれなかったんじゃないかなって。

その意味でもすごくオリジナルなものだと思うし、ヒップホップの、ラップのローカライズっていう意味でいくと、「日本、ここまでやるか!?」って思わされましたね。このオリジナリティーは、もしかしたら日本以外でも注目されるかもしれないなって。

日本でないと生まれない組み合わせ KEN THE 390が指摘するヒプマイの独自性

ケンザさんは、ヒプマイの原作の方でも楽曲制作に関わっていたようです。ヒップホップ文化のローカライズについてヒプマイに見出しているようです。
ヒプステにも同じようなローカライズを感じているかもしれませんね。

個人的にはヒプステもヒップホップ文化のローカライズだと思っており、2.5次元舞台という日本独自の演劇とヒップホップを、植木さんとKEN THE 390さんという二人のヒップホップ文化の精通者が巧みに攪拌させていると感じます。

ヒプステがここまで音楽に特化させることが出来たのはヒップホップ文化の本物にやらせているからに他ならず、またアイディアを尊重している現場にもあるのではないでしょうか。

5.クオリティファースト×先進的カルチャーが俳優のやる気を生み出す

ヒプステについてのインタビュー記事や俳優さんのSNSを探すと、彼らからヒプステに対する愛着と矜恃を感じることがあります。

原作には出てこないオリジナルディビジョンがいて、彼らを演じる俳優さん達からも同じものを感じます。アカバネディビジョンの彼らがいい例ですね。

“ヒプステ”は、作品としてエンターテイメント要素が盛りだくさんで舞台という概念からはみ出ていると思います。本当に今、日本でお届け出来るエンターテイメントのトップクラスじゃないかと思います。それぞれのキャラクターも濃いですし、初めて観る方もきっと推しが見つかると思います。男性、女性、限らずぜひ、楽しんで貰えたらいいなと思います。

『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』Rule the Stage《Mix Tape1》 岸本勇太 × 南部海人 × 松浦司 インタビュー

この引用の発言は岸本くんの発言なのですが、Track1(第1シーズン)にしか出てこないヴィラン的立場の演者ですらこれです(笑)

その他本当にすごいのですが、音楽、映像、ライティング、ダンスパフォーマンスに関して先進的であることはが俳優たちの口からすごく出ていると思いますし、皆さん文章からでも伝わってくるやる気満々感がすごいのです。

それは、ヒップホップ文化を尊重したクオリティファーストの現場と先進的ダンスミュージックが生み出す「オシャレ」「クール」「サグい」…そんなカウンターカルチャー的な立ち位置かつ先進的な舞台演出が彼らの自尊心を刺激するのかもしれません。

次に、おばさん的な視点で申し訳ないのですが、2.5次元舞台に出るような、失礼だけどそこまで売れてはいない若手俳優の子たち(モデルやミュージシャンも含めて)って、新しいカルチャー及びトレンドの担い手であり発信源なのです。
今だとSNSがあるので一般人もインフルエンサーとしてそういう新しいカルチャーを発信しているのですが、昔はやはり俳優やモデルの子たちだったのです。

ネットもそこまで普及していない時代(20年くらい前)は、そういう子たちってどこで新しいカルチャーやトレンドをキャッチ・発信していたかというと「ナイトクラブ」です。まさにヒップホップ文化の発信源。
昔ほどではないですが、今もナイトクラブはその役割を担っています。特にストリートファッションや文化はそうです。

2.5次元俳優の子たちにとっては、ヒプステは流行・新しいカルチャーの発信をする役割を担っているのではないかと思っていて、それは俳優さんたちが「俺たちは違うんだ」という自尊心とやる気に繋がっているのだと思います。
(先進的なカルチャーに触れている自分ってすごく楽しいし、〈俺こんなの知ってんだぜ〉ってなるじゃないですか、アレです)
そんでもって自分たちの表現したいことを尊重してくれるクオリティファーストのプロダクションチームがいるのでさらにやる気の向上があったのだと考えられます。

6.総評

ヒプステは「ちょっと変わっている俺たち」の自尊心とクオリティファーストのガチなヒップホップ文化が生み出すカウンターカルチャー。

以上!!!!

なので俳優さんたちはみんな卒業してしまうのですが、スタッフさんたちはこのまま残しておいた方がいいと思います。

ということでヒプステシリーズは終了!

与太話で、キングダムのせいで山田一郎役の高野くんの舞台とかドラマのお話が発表されないかと気になります。
個人的にはマーベルコミック、X-MENのメンバーの一人であるサンファイア/吉田四郎を演じてほしいです。ベイマックスとも関係が深いキャラです。アクションが出来るのでいかがですか?

てかさ、実写化したらMCUだし、事実上のハリウッドデビューになってしまう(笑)

おしまい(笑)


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