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私が選ぶ、現代版「月が綺麗ですね」3選

「月が綺麗ですね」

このセリフ、夏目漱石が「I love you」の訳とした、と言うのは有名な話だ(実話かどうかは諸説あるよう)。

英語圏と日本語圏の、「愛してる」と言っちゃうか言っちゃわないかの違いを、綺麗な言葉で教えてくれる。

たしかに面白い。日本人の私は、彼氏に愛してるなんて言われないし、言われたら言われたで照れてまう。

「一緒にどこそこ行こう」とか「次はいつ会える?」みたいな言葉で、好きを確認している気がする。

でも、「I love you」の素敵な意訳は、あまりにも「月が綺麗ですね」に持っていかれすぎている。ステイホームで暇な私は、現代版和訳「I love you」を探し始めた。(ホント暇人だなー)

雪が綺麗と笑うのは君がいい
backnumber「ヒロイン」の歌詞

いい。君がいい、と言っている時点で、夏目先生に言わせれば、直接的なのかもしれないが、コミュニケーションの取りやすさが爆発的に上がって、推敲する間もなく相手に送ってしまうこの時代において、少し直接的な方が伝わる、気がする。
いい。

何がいいってこれ、大阪に住む人(雪はめったに降らないし、積もるなんて数年に1度。小学校なら授業をやめて雪遊びさせてくれるレア度)と、北海道(雪国!)とではまたとらえかたが変わりそうなところも素敵。

大阪なら、雪が降る特別な日に、一緒にいるのは好きな人がいいねん!だし、
北海道なら、雪が積もったいつもの冬の日も、一緒にいるのは君がいいねん!的な感じか(関西人ゆえ雪国を想像で済ませてすみません。)

世界中どこでも見られる月より、四季がある日本の雪を出してきたところはなかなか秀逸な気がする。

さすがbacknumber。

そして、次は

きっと今は自由に空も飛べるはず
スピッツ「空も飛べるはず」の歌詞

とにかく爽やか。爽やかに訳せ。という問題なら間違いなく優勝。でも歌詞全体は、結構暗いというか、闇を感じる。そこから救ってくれた君へ、

君と出会った奇跡がこの胸に溢れてる

と、

ずっとそばで笑っていてほしい

にサンドイッチされた、照れ隠しのI love youだ。

舞い上がってる、めっちゃ好きやねん!の気持ちをこれでもかと言うくらい上手く例えてると個人的に思う。だって空飛べるねんで。

最後に、ちょっと変化球かもしれないけど

別の人の彼女になったよ
wacci「別の人の彼女になったよ」の歌詞

夏目先生はなんと言うだろうか。
そういう伝え方はやめなさい、と怒るだろうか。

上の二つはなんとういか、詩的で、日常生活で言う人はなかなかいないだろう、曲の歌詞だからこそいい部分もあるだろう。

でもこれは、言ったり言われたり、または心の中で言ったりしちゃいそうだなと思う所まで下ろしてくれているあたりが憎い、キー!と思った。

「彼氏出来た」ではなく、
「別の人の彼女になったよ」だからこその
言ってないけど、隠してもいないI love you

wacci何者。


というわけで、愛とか好きとかいうことばや、君がいれば幸せだとか、君を守りたいとか、そういう直接の表現以外の、現代J-POP版I love youの訳を私が独断と偏見で選びました。

私の好きな音楽の中から選んだので、もちろん、もっと凄いのがあるぜ!!という意見もあるでしょう。

作業しながら、移動しながらなんとなく聴く音楽もいいですが、歌詞をじっくり聴く、読むとくぅ!となることも多いので、素敵な一節探してみてください!


#キナリ杯 #音楽 #歌詞